アーサー技建は、土壌汚染浄化工事会社です
土壌汚染調査技術管理者試験 対策講義 ① より続く
土壌汚染調査技術管理者試験 対策講義 ② です。
次は、土壌汚染調査に出てくる最もシンプルな井戸の構造図です。
井戸水というのは、砂層に設置したスクリーン内部の水で
ベイラー(地下水サンプラー)またはポンプで、井戸水を採水したり揚水したりします。
不飽和層というのは、地下水が(土層の空隙に対して)不飽和という意味で、
地下水位よりも上の土層のことを言います。
地下水に満たされていない空間を、土層の空隙といい、
砂礫の不飽和層の場合、空隙率は15%~あります。
飽和層というのは、空隙が地下水に満たされて飽和という意味で、
地下水位よりも下層で、不透水層より上部を言います。
不透水層の直上部は、滞水層の最下部で、汚染物質が溜り易いです。
難透水層というのは、字の如く水を通し難い層のことで、
透水係数10-7 m/sec以下と定義されます。
飲料用の井戸も、砂層から水を汲み上げる構造です。
砂利や小石では空隙が大きく、微生物が混入します(最小の微生物は1μ:1/1000mm)
しかし、砂層というフィルターは細かくて、1μの微生物は通過できません。
従って、自然地層の砂層から汲んだ水は無菌です。
以上、土質や井戸の構造などには、教科書がなく、
各自現場で覚える必要があります。
雑談です。
日本一の面積の琵琶湖の西に、比良山や比叡山を含む東山などを挟んで京都盆地があります。
この京都盆地(東西と北の三方に山があって、南に向かって川が流れている)には、地下水が湛えられています。
その水量は、琵琶湖に匹敵するという人がいますが、本当でしょうか?
↑の図のように、地下水は不透水層の上、主に砂の層に溜まっていて、
不透水層が緩く傾斜しているので、ゆっくりと流れています。
井戸水というのは砂の層に溜まった滞水層の水を汲み上げるもので、
それを利用して京都ブランドの豆腐や湯葉などを作ったりします。
地層は下から、難透水層(粘土)・準不透水層(シルト)・砂層・小石・砂利・表土という構成で、
それを 沖積層といい、長い年月の間に、雨水が浸透して、
小さな粒子が粗い粒子のすきまに沈み込んで、地層が生成されます。
地層が生成された結果、準不透水層から上部は、上に行くほど粗くなるフィルターになります。
なので、砂層の滞水層の幅だけに地下水が存在し、
その水量は、滞水層の体積×空隙率ということになります。
琵琶湖の面積は670平方km。貯水量は275億立米ですが、
京都盆地の面積は270平方km。滞水層は〜2m程度で、砂層の空隙率は15%なので、
その地下水貯水量は、滞水層厚を2mとすると、270✖️1000✖️1000✖️2✖️0.15=8100 万立米という計算となり、
京都盆地の地下水量/琵琶湖の貯水量=8100万立米/270億立米=0.3%という事で、
京都盆地の地下にある滞水層の貯水量は、琵琶湖の約1/300という計算になります。
ここでは、井戸水は砂層から汲み上げるという事。
(沖積層では)下層へいく程 粒子が細かくなるフィルターの構造になっていて、
水を通さない難透水層(粘土層)の上に滞水層(砂層の飽和層)があるという事。
などを、↑井戸の構造図を基に理解しましょう。
次に、VOC
VOC は、Volatile Organic Compounds 揮発性有機化合物 の略称で
土対法では、第一種特定有害物質 12種類が指定されています。
有機化学が苦手な人でも、
土壌汚染調査技術管理者試験という分野においては、必須科目であり、
それが「土壌汚染」分野の専門性というものです。
必須科目を網羅していくことは、或る意味、苦手科目を克服していくことでもあります。
理解したあとから振り返ると、難しいことがなくなっています。
12年分の過去問を、カテゴリー別に解いていくと、しばしば同じものが出現します。
これが、復た愉しからずやです。
特に、土壌汚染におけるVOCは、「習うより慣れよ」だと思います。
18 分解生成物に出てくる、分解経路図は、分子式が書けるようになってから、白い紙に再現する練習をしましょう。
一段目は、テトラクロロエチレン・・・ 四塩化炭素
二段目は、左から、トリクロ,112,111,(クロロホルム)
三段目は12,11,12 ジクロロメタン
5回もやれば、完璧です。
今回のカテゴリーは、以下のセクション13~23です。
13 土壌・地下水に係る汚染
14 法の特定有害物質PM
15-1 法の特定有害物質の性質AM①
15-2 法の特定有害物質の性質AM②
16 健康リスク・自然分解・希釈減衰
17 VOC
18 分解生成物
19 酸化・還元・不溶化・熱処理
20 土質・粒度/ダルシー則
21 有効数字・理想気体・計算問題
22 地下水汚染が到達し得る距離
23 地下水流向/地下水等高線
13 土壌・地下水に係る汚染
・不圧帯水層とは、自由地下水面をもつ帯水層である
・スクリーンとは、井戸を構築する際に、井戸と帯水層の通水を確保するために
井戸側壁に設けられた細孔、あるいは細いスリットを設けた部位である
・シルトとは、土粒子の粒径による区分名、あるいは土の分類名であり、粘土と砂の中間
の粒径をもつ土粒子のことである。学会・協会によっては、粒径区分が異なる
・揮発性有機化合物とは、常温、常圧で容易に大気中に揮発する有機化合物の総称である
・地下水環境基準は、地下水の飲用によるリスクを考慮して設定された基準であるが、
地下水環境基準の基準値の設定においては、その他
例えば食物からの暴露経路も考慮されている
・第二溶出量基準は、第一種・第二種・第三種特定有害物質に定められているが、
PCB・有機りんにはない
・含有量基準(直接摂取リスクに係る)は第二種特定有害物質についてのみ定められている
・土壌溶出量基準は、人の平均体重を50kg として、
70年間に亘り1日2Lの地下水を飲用することを想定して設定されている
・人に対する有害性について閾値のない特定有害物質の土壌溶出量基準は、
生涯を通じたリスクの増分を1/10万以内とすることを基本として設定されている
・「土対法の溶出量基準」と
「水道法の地下水基準」と「環境基本法の地下水環境基準」は対象物質が若干異なる
・土壌環境基準にあって地下水環境基準にない項目は、有機りんである
・農用地に関する土壌環境基準には、カドミウム、砒素、銅が設定されている
・土壌溶出量基準と土壌環境基準(環境基本法:H5)は対象物質も基準値もやや異なる
・特定地下浸透水の浸透規準(水濁法)は、地下水環境基準の1/10又は定量下限値に設定されている
・ 地下水の水質汚濁に係る土壌環境基準に関して
カドミウムの基準値は、0.003 mg/L 以下である・・・法改正により規制強化
1,1-ジクロロエチレンの基準値は、0.1 mg/L 以下である
1,2-ジクロロエチレンの基準値は、0.04 mg/L 以下である(シス、トランスの合計)
塩化ビニルモノマーの基準値は、0.002 mg/L 以下である
1,4-ジオキサンの基準値は、0.05 mg/L 以下である(水濁法の地下水基準)
・1,1,1-トリクロロエタンの土壌溶出量基準は慢性毒性を考慮して定められている
・シアンは生分解可能な物質である
・六価クロム汚染は自然界では、蛇紋岩に伴い検出されることがある
・重金属等による地下水汚染では、重金属等は各種イオンの形で溶解していて、
カドミウムは2価の陽イオン
・重金属イオンは土壌中の粘土鉱物に強く吸着し、移動性はそれほど大きくないが、
その性質は化学形態によって変化する
・砒素の化学的な存在形態を推定する上で
重要な地下水の水質に関する項目として、Phおよび酸化還元電位がある
H29AM2…2 H27AM1…3 H26AM4…4 H25AM2…1 H24AM1…4 H23AM5…4 H23AM3…5
H25AM2 は、正答が法改正により 変更となります
14 法の特定有害物質 PM
○コプラナーポリ塩化ビフェニル⇒PCB ×ポリ塩化ジベンゾ–パラ–ジオキシン⇒ダイオキシン類
PCBは土対法の第三種特定有害物質ですが、
ダイオキシンはダイオキシン対策特措法により規制されます
土壌汚染においては、土対法が一般法で、ダイオキシン対策特措法が特別法であり
一般法と特別法が併設されている場合、つまりダイオキシン類に関しては
特別法の方が規制が強く、規制の厳しい方(ダイオキシン対策特措法)が適用されます
・「土壌溶出量基準のみが設定されている物質」⇒第一種・第三種特定有害物質
・「土壌溶出量基準及び土壌含有量基準の両方が設定されている物質」⇒第二種特定有害物質
・重金属等全9種は、直接摂取のリスクを考慮して、土壌含有量基準が設定されている↑
・平成 22 年度から平成 26 年度までに法に基づき区域指定された土地の
約2割が、要措置区域に指定され、
要措置区域等に指定された土地のうち、
約8割で第二種特定有害物質(重金属)による基準不適合が、
約1割で第一種特定有害物質(VOC)による基準不適合が、
残りの約1割で複合汚染が確認された
・ 1,4-ジオキサン、クロロホルム、Cu、Zn、硝酸性窒素、亜硝酸性窒素・・・は法の特定有害物質ではない
・メチルパラチオンは、有機りん化合物なので、第三種特定有害物質である
・1,4-ジオキサンによる地下水汚染は、
地下水環境基準を超過した事例の中では農薬による地下水汚染よりも多い
R元PM26…3 R元PM1…4 H30PM26…3 H29PM26…2 H28PM26…2
H26PM27…4 H25PM27…2 H24PM27…4 H22PM27…4
15-1 法の特定有害物質の性質AM ①
・特定有害物質には、土壌に含まれることに起因して
人の健康に係る被害及び生活環境に係る被害を生ずる
おそれがある26種類の物質が指定されている
・特定有害物質は、有害物質を含む土壌の直接摂取、
土壌中から地下水に溶出した有害物質を含む
地下水等としての摂取の 2 つの経路に着目して定められており、
その種類は地下水の水質汚濁に係る 環境基準の基準項目と少し異なる↓
○水濁法にあって、土対法にない特定物質・・・1,4ジオキサン(水溶性),硝酸性窒素,亜硝酸性窒素
1,4ジオキサン;C4H8O4・・・1,4ジオキサンもダイオキシンも2つのエーテル基を持つ
○土対法にあって、水濁法にない特定物質・・・有機りん化合物、PCB(難水溶性)、
・第一種特定有害物質に指定されている物質は、揮発性の有機塩素化合物であるが、
唯一例外はベンゼンである
・特定有害物質のうち、汚染土壌の直接摂取による人の健康被害のおそれの観点からは、
人が直接摂取する可能性のある地表付近の土壌中に高濃度の状態で
蓄積し得ると考えられる第二種特定有害物質が規制の対象となっている
・PCBによる汚染土壌の直接摂取による人の健康被害のおそれについては、土対法の基準があるが、
ダイオキシン類に関しては、ダイオキシン類対策特別措置法による↓
都道府県知事は、土壌のダイオキシン類による汚染の状況を常時監視しなければならない
都道府県知事は、ダイオキシン類による土壌の汚染に係る環境基準を満たさない地域であって、
人が立入ることができる地域をダイオキシン類土壌汚染対策地域として指定することができる
○コプラナーポリ塩化ビフェニル⇒PCB
×ポリ塩化ジベンゾ–パラ–ジオキシン⇒ダイオキシン類
ダイオキシン類の土壌-環境基準は1,000 pg-TEQ/g 以下⇒2 ダイオキシン類特措法(特別法)
・第一種特定有害物質は 12 種類で、うち11種類は水より密度が大きいが、唯一の例外はベンゼンである
・第三種特定有害物質は 5 種類で、汚染地下水摂取のリスクがあるため
土壌溶出量基準と第二溶出量基準が設定されているが、
PCB、有機リン,有機リン化合物の土壌溶出量基準は検出されないことである
・法の土壌溶出量基準が「検出されないこと」とされている特定有害物質は、
シアン化合物、アルキル水銀、PCB及び有機りん化合物の4種類である
・法の土壌溶出量基準と地下水基準は、特定有害物質ごとに同じ基準が設定されている
・基準不適合事例はVOCでは、テトラクロロエチレン<トリクロロエチレン が多い
第二種特定有害物質では、ふっ素・ホウ素<砒素<鉛 が多い
・地下水環境基準について、平成23年にカドミウムの基準が
0.01mg/L 以下から0.003mg/L 以下に強化された
・トリクロロエチレンの水道水質基準は、平成23年に0.03mg/L 以下から0.01mg/L 以下に強化された
・ダイオキシン類対策特別措置法(平成11年)ではダイオキシン類の中にコプラナーPCBが含まれている
・ベンゼンは密度が水よりも低く難水溶性なため、帯水層上部を移動する
・1,3-ジクロロプロペンは、線虫の薫蒸に使用されるが、VOCの中では、移動性が最も低い
・砒素は、黄鉄鉱の酸化により溶出する場合がある
・ふっ素は、花崗岩(蛍石)が起源となっている場合がある
・亜砒酸( 3 価の砒素)と砒酸( 5 価の砒素)では、一般に亜砒酸の方が毒性が強い
・ほう素化合物は、水への溶解性が高い為、他の物質と結合させて
不溶化することが比較的困難で、 磁力選別不可
・鉛は、同位体比を測定することで人為由来か自然由来かを判断できる場合がある
・酸化鉛は強酸性及び強アルカリ性の両条件下で溶解度が高まるので、(両性金属)
対策時にはpHのコントロールが重要である
・金属水銀は水銀蒸気を生成し、温度が上昇すると揮発量が増える
・シアン化合物の中の遊離シアンは水によく溶け移動性が高く、強アルカリ性条件下で無毒化される
R2AM2…5 R元AM1…4 R元AM3…1 R元AM2…3 H30AM4…3 H27AM3…4
H27AM2…4 H26AM3…1 H26AM1…3 H25AM1…4 H24AM3…5 H22AM3…4
15-2 法の特定有害物質の性質AM②
・土壌中に含まれた六価クロム化合物は、濃度によっては還元されて
水に溶けにくい三価クロム化合物に変化するが、大量に入ると
六価クロム化合物のまま土壌中に存在したり、地下水に移行したりする(0.05mg/L以下)
・無機シアン化合物は、非常に強い毒性を持っており、青酸カリ等の無機シアン化合物を
体内に取り込んだ場合は短時間で死に至ることもある
・水銀は低温で液体となり、常温でも揮発する金属であり、
無機水銀化合物より有機水銀化合物の方が毒性が強い
・ふっ素は反応性が高い(ハロゲン)ため、自然界では化合物の形で存在する
・六価クロムや砒素は、陰イオンとして地下水中に存在することが多く、
広域な汚染につながる場合もある
・我が国において重金属汚染は、鉱毒水による農用地の土壌汚染として知られているが、
渡良瀬川流域の銅汚染、神通川流域のカドミウム汚染、土呂久の砒素汚染等が有名である
・水銀は、常温で液体の金属元素であり、多くの金属と合金(アマルガム)をつくることができる。
・鉛Pbは、Hg,As,Cdに比べて原子量が大きく、放射線の遮蔽材として使用される
・砒素は、十分に酸素が含まれている水中や水底の泥中では5価(砒酸塩)の状態で存在し、
深い湖の堆積物や地下水など貧酸素状態で水和し、
As(OH)3として3価(亜砒酸塩)の状態で存在する
・亜砒酸( 3 価の砒素)と砒酸( 5 価の砒素)では、一般に亜砒酸の方が毒性が強い
・PCBはその分子に保有する塩素の数や位置の違いにより数多くの異性体が存在し、
なかでもコプラナーPCBと呼ばれるPCBの毒性はきわめて強く、ダイオキシン類に含まれる
・カドミウムは、電池材料として利用量が多く、毒性があり神通川流域イタイイタイ病の原因となった
・チウラムは農薬の有効成分であるが、鳥の忌避剤・ゴム製造・加硫促進剤として使用される
・土壌汚染は、いったん汚染されると、長期にわたり汚染状態が存続し、
人の健康や生活環境に影響を及ぼし続ける残留性の汚染である
・土壌汚染による健康リスク=汚染物質の有害性×土壌由来の汚染物質の摂取量
・汚染土壌の地下水等摂取リスクは、有害物質が
地下水に溶出しないよう封じ込めることにより、管理することが可能である
・汚染土壌の直接摂取リスクは、立入制限、汚染土壌の覆土、舗装
といった方法によって、管理することが可能である
・重金属は、土壌に吸着され易く、 地下水汚染を引き起こし易い。
砒素や鉛による自然由来の土壌汚染が存在する事例も多い
・揮発性有機塩素化合物は、地盤に浸透し易い性質を持つ上に、
土壌吸着は小さい為、地下水汚染に繋がることが多い
・1,4-ジオキサンによる地下水汚染は、
地下水環境基準を超過した事例の中では農薬による地下水汚染よりも多い
・ベンゼンは、常温では特徴的な臭いのする無色透明の液体で、
揮発性や引火性が高く、発がん性があるので注意が必要
自動車用ガソリン中のベンゼン許容濃度は1%と設定されている
・六価クロム化合物は、化学的に酸化力が強く、
顔料、メッキや金属表面処理等に用いられる。
土壌中に浸透した六価クロムは、還元されて三価クロムになる
・1,1,1-トリクロロエタンは、水に溶けにくく、常温では揮発性が高い無色透明の液体である。
かつては金属洗浄用、ドライクリーニング用溶剤にも使われていたが、
オゾン層を破壊することが分かり、オゾン層保護法によって
1996 年以降は原則として製造が禁止されている
・ふっ素は、自然界では化合物として温泉水や火山地帯の地下水等の水中にのみ存在する
ふっ化水素は、主にガラスや半導体の表面処理等に用いられる
・PCBは、不燃性で電気絶縁性に優れているため、熱媒体、トランスなどに用いられていた
土壌中では移動性は 小さいが、生分解性が低い
PCBによる日本での健康被害として、カネミ油症事件が起こった
・Cdによる日本での健康被害としてイタイイタイ病があり、
農用地では米1kgにつき0.4mg以下と基準が定められている
R3AM32…1 R3AM1…1 R3AM1…2 H26AM32…2 H24AM31…3
H24AM30…2 H23AM35…5 H23AM32…3 H23AM31…1 H22AM32…2
16 健康リスク・自然分解・希釈減衰
・土壌含有量基準の値は、汚染土壌の上に
70 年居住するものとし、子供の時期を 6 年間、大人の時期を 64 年間
とした場合の土壌の摂食量をもとに設定されている
・土壌含有量基準では、土壌の摂食及び土壌粒子の皮膚接触吸収が対象とされているが、
土壌粒子の皮膚接触吸収による摂取量は
土壌の摂食による摂取量と比較して小さいものとしている
・シアン化合物については、幼児の非意図的な土壌の多量の摂食に伴う
急性影響も考慮し、遊離シアンとして土壌含有量基準の値が設定されている
・六価クロム化合物については、幼児の非意図的な土壌の
多量の摂食に伴う急性影響も考慮し、土壌含有量基準の値が設定されている
・土壌溶出量基準は、人の平均体重を50kg として、
70年間に亘り2L/1日の地下水を飲用することを想定して設定されている
・人に対する有害性について閾値のない特定有害物質の土壌溶出量基準は、
生涯を通じたリスクの増分を1/10万以内とすることを基本として設定されている
R3AM2…3 H30AM3…2 H26AM2…3 H24AM34…2 H24AM2…2 H22AM4…3
17 VOC
GL9、Appe17-1、17-2
・法の指定に係る揮発性有機塩素化合物12種は、
ベンゼンを含め水より粘性が低く、ベンゼンを除き水より重い
水に対する溶解度は低いが、土壌粒子には、あまり吸着しない
地盤中を降下浸透していく際には、揮発性が高いために土壌ガスとして拡散し、
水よりも油に溶け易く 油汚染と複合することが多い
・ベンゼンを除き、すべて塩素を含む化合物である
・ベンゼンを除きすべて水よりも重い
・水に対する溶解度で 50 g/L(5 %)を超えるものはない(疎水性:水に溶けにくい)
・水よりも油に溶けやすい
・第一種特定有害物質のうちベンゼンを除く 11 物質は、
炭素、及び 塩素 を含む化合物であり、(ベンゼンのみ塩素不含)
水よりも 密度は 大きく (ベンゼンのみ密度<1)、ほとんどの物質は水よりも粘性は小さい
・四塩化炭素CCl4は不燃性で化学的に安定である
・トリクロロエタンには 1,1,1-トリクロロエタン及び 1,1,2-トリクロロエタンの
異性体があり、常温で液体である
・ベンゼンは芳香族炭化水素で塩素を含まない物質であり、
揮発性が高く引火し易い(自動車用ガソリンに1%使用)
・トリクロロエチレンは、常温で無色透明の液体で、
様々な有機物を溶かす溶剤として、金属製品等の油除去等に利用される
・テトラクロロエチレンはエチレン分子の 4個の水素を塩素に置換したもので、不燃性である
・クロロエチレンは、常温では甘ったるい臭気のある無色透明の気体で、
スプレーの噴霧助剤として使用されていた~1970
・ジクロロメタンが、H31法改正により、特定有害物質として追加指定され、VOCは全12種となった
・1,2‒ジクロロエチレンは、常温では無色透明の液体で、シスとトランスの異性体があるが、
H31法改正により シス、トランス(区別せず)併せて、特定有害物質として指定された。
0.004mg/L以下&0.04mg/L以下(第二) Appe17-1、17-2
シス・トランスの両方とも定量下限値以上の場合は、シス・トランスの測定値の和を測定値とし、
報告値は、有効数字を2桁として、3桁目以降を切り捨てて表示する
シス・トランスのいずれか一方が定量下限値未満で、
いずれか一方が定量下限値以上の場合は、
定量下限値以上の測定値を測定値とし、
報告値は、有効数字を2桁として3桁目以降を切り捨てて表示する
・1,3-ジクロロプロペンは、線虫の薫蒸に使用されるが、
VOCの中では、移動性が最も低い
・1,3-ジクロロプロペン(シス・トランスの異性体がある)は常温で液体であり
シス、トランス併せて(区別せず)、特定有害物質として指定された。
0.002mg/L以下 Appe17-1、17-2
↑【環境基本法と水道法の地下水基準・土対法の溶出量基準】
0.02mg/L以下 【水濁法の排水基準・土対法の第二溶出量基準】
シス・トランスの両方とも定量下限値以上の場合は、
シス・トランスの測定値の和を測定値とし、報告値は、
有効数字を2桁として、3桁目以降を切り捨てて表示する
シス・トランスのいずれか一方が定量下限値未満で、
いずれか一方が定量下限値以上の場合は、
定量下限値以上の測定値を測定値とし、報告値は、
有効数字を2桁として、3桁目以降を切り捨てて表示する
○水濁法にあって、土対法にない特定物質・・・1,4ジオキサン(水溶性)、硝酸性窒素,亜硝酸性窒素
1,4ジオキサン;C4H8O4・・・1,4ジオキサンもダイオキシンも2つのエーテル基を持つ
1,4ジオキサンは、芳香族炭化水素(亀の子)で塩素を含まない物質であり、土対法の指定物質ではない
1,4ジオキサンは、水溶解度が、トリクロロエチレンに比べて大きい
1,4ジオキサンは、比重・分子量ともに、トリクロロエチレンに比べて小さい
オクタノール/水分配係数(脂質への溶けやすさ=疎水性≒毒性)は、トリクロロエチレンに比べて小さい
1,4ジオキサンの蒸気圧は、トリクロロエチレンに比べて小さい(揮発し難い)
R3AM3…4 R2AM4…4 H29AM1…2 H28AM4…5
H26AM34…5 H26AM5…4 H25AM33…4 H24AM29…3 H22AM31…2
分解経路図は、分子式が書けるようになってから、白い紙に再現する練習をしましょう。
最上段は、テトラクロロエチレン・・・四塩化炭素
二段目は、左から、トリクロ,112,111,(クロロホルム)
三段目は12,11,12 ジクロロメタン です。
5回もやれば、完璧です。
・エタン⇒エチレンは、塩素が脱落する際に、C-CがC=Cとなり
2重結合ができるので、分解生成物と成り得るが
エタン←エチレンは、C=CがC-Cとなることはなく、
2重結合が強力で、分解生成物と成り得ない H22PM6…4
・塩ビモノマー=クロロエチレン H27AM6…5
・ジクロロメタン・・・H31に追加された法の特定VOC(VOCでは12番目、特定有害物質では26番目)
・1,2‒ジクロロエチレンは、常温では無色透明の液体で、
シスとトランスの異性体があるが、H31法改正により
シス、トランス併せて、特定有害物質として指定された
0.004mg/L以下&0.04mg/L以下 Appe17-1、17-2
シス・トランスの両方とも定量下限値以上の場合は、シス・トランスの測定値の和を測定値とし、
報告値は、有効数字を2桁として、3桁目以降を切り捨てて表示する
シス・トランスのいずれか一方が定量下限値未満で、いずれか一方が定量下限値以上の場合は、
定量下限値以上の測定値を測定値とし、報告値は、
有効数字を2桁として、3桁目以降を切り捨てて表示する
・1,2‒ジクロロエチレンについて、、、 土壌溶出量試験においてシス体とトランス体について
パージ・トラップ‒ガスクロマトグラフ質量分析法で測定する
土壌溶出量の測定の結果、シス体及びトランス体がそれぞれ定量下限値以上であったので、
これらを合算した後に桁数処理を行い、有効数字を 2 桁として、 3 桁目以降を切り捨てる
地下水の水質分析においてシス体の報告値が0.072 mg/Lであり、トランス体の報告値が定量下限値
(0.004mg/L)未満であった場合、1,2-ジクロロエチレンの報告値は 0.072mg/Lとして報告する
シス‒1,2‒ジクロロエチレンを対象として形質変更時要届出区域に指定され、原位置浄化を行い
区域指定が解除された土地については、解除された時点ではトランス体を含む 1,2‒ジクロロエチレン
による土壌汚染のおそれはないものと判断してよい/////////////法の遡及効問題
R元AM4・・・4
R元AM4・・・4 R元AM8・・・3 H30PM1・・・3 H29AM7…4(H31法改正)
H28PM3・・・3 H27AM6・・・5 H24PM12・・・4 H22AM9・・・3 H22PM6・・・4
19 酸化・還元・不溶化・熱処理
○テトラクロロエチレンで汚染された土壌に地下水を酸化分解法である
フェントン法を用いて原位置浄化する手法に関して・・・
・分解する過程において意図しない特定有害物質の
土壌からの溶出の可能性があるので注意する必要がある
・酸化分解反応により、有害な有機物が生成することがある
・酸化分解反応速度は、地下水の pH の影響を受ける
・フェントン法で用いるフェントン試薬は土壌中の地下水に含まれる有機物等によって
消費されるのでテトラクロロエチレンを分解するのに必要な量よりも多く必要である
・フェントン試薬のうち過酸化水素水(含有量 35 %)は毒物及び劇物取締法の劇物である
○熱処理は、第一種特定有害物質・水銀や第三種特定有害物質(PCBなど)に広く適用できる技術である
○洗浄処理は、第二種特定有害物質・第三種特定有害物質やこれらと油分が共存した場合に適用できる
○化学処理は、分解が期待される
第一種特定有害物質、第三種特定有害物質、シアン化合物等に適用が限定される
○抽出処理には、第一種特定有害物質で汚染された土壌に生石灰等を混合し、水との水和熱で
土壌温度を上昇させ特定有害物質を土壌より抽出する方法も含まれる
○水銀及びその化合物の土壌含有量基準不適合土壌を、加熱抽出による処理施設で処理する
・セメントによる地盤改良では、土壌に含まれる
三価クロム化合物から六価クロム化合物が生成するおそれがある
・法の第二種特定有害物質の不溶化剤として使用される薬剤
○リン酸カルシウム(F)
○硫酸第二鉄塩(Cd,Pb,Hg)
○酸化Mg・硫化Na(六クロ,Cd,Pb,Hg)
○第一鉄塩(Se除去)
×過硫酸塩は、金属が溶出してダメ
・酸性土壌のpH を上昇させる薬剤として
炭酸ナトリウム・水酸化カルシウム・重炭酸ナトリウム・水酸化ナトリウムがアルカリ塩として使用可
・砒素は、鉄粉で還元されて、無害化される
・トリクロロエチレンは、鉄粉で還元されて、塩素が脱落し分解される
・ホウ素は、鉄粉で分解や吸着ができない 又 磁気吸着もできない
・ジクロロメタンはend物質で、鉄粉で分解や吸着ができない
○汚染土壌の浄化等のメカニズムに関して
・「不溶化」とは、水に溶けにくい状態に変化させる方法であり、
法では第三種特定有害物質に適用できない
・「気化」現象を利用する措置の一つとして土壌ガス吸引法がある
・「分解」とは、化学物質や微生物等を用いて、対象物質を他の物質に変化させる浄化方法である
・「分解」現象を利用する措置では、対象物質の分解により
他の有害物質を生成する可能性があることに注意が必要である
・「溶解」現象を利用する措置の一つとして原位置土壌洗浄法があり、
一般には 水への溶解度が高い物質であるほど、土壌からの除去効果が高い R3PM3…5
○テトラクロロエチレンで汚染された土壌・地下水を酸化分解法である
フェントン法を用いて原位置浄化する手法に関して
テトラクロロエチレン濃度が 0.008 mg/L に減少/
クロロエチレン濃度が 0.0020 mg/L に増加(分解生成)/
水素イオン濃度指数 pH が 7.5 でほとんど変化しなかった/
鉄粉が酸化するので溶存酸素濃度が増加することはない/
酸化還元電位は還元反応なので、アルカリに傾き-150 mV に減少することもありうる ・・・R3PM5…4
○ジクロロメタンによる汚染土壌に対して、フェントン法(鉄粉還元・塩素剥離)による浄化を実施した後、
土壌溶出量基準に適合させた後、地下水モニタリングを2年間実施して 後に措置完了となる、
H27PM11…D
R3PM5…4 R3PM3…5 R2PM2…4 R元PM13…3
H30PM3…5 H29PM11…4 H28PM14…2 H28PM10…5 H27PM12…4 H26PM11…2
H26PM8…4 H26PM8…4 H25PM13…3 H24PM13…2 H22PM10…1 H22PM7…3
以下、問題演習の回数をこなすに如かずなので、仕分けと解答を載せます。
追って、解説を追加して行きます
20 土質・粒度/ダルシー則/
実流速v=透水係数k×動水勾配i/空隙率ne
透水係数K には、Kh と Kvと(horizontalとverticalと)があり、地下水中の土壌汚染が、滞水層を水平方向に移動する場合はKhである。
H28AM1の透水係数は、Khなので、
動水勾配i が、自由落下速度と置換されて、不要だと思う
H28AM1は、Kvを設定していて、朝から意地悪問題だ。
R元PM3…5 R元AM1…5 H30AM1…4 H28AM1…3 H26AM33…2
H25AM34…5 H24AM35…5 H23AM34…4 H22AM33…1
21 有効数字・理想気体・計算問題
有効数字 は良問だが、 理想気体なんて、高校生物理の初歩問題であり、
教員採用試験でもあるまいし
PV=nRT を、土壌汚染の国家試験に出す必要はあるんですか?
H29AM2…5 H25AM15…2 H22AM35…5 H22AM34…4
22 地下水汚染が到達し得る距離
汚染物質の土壌中での移動性
R3AM4…4 R2AM3…2 H30AM5…5 H30AM2…1 H29AM4…1
H28AM2…3 H25AM4…3 H23AM1…5 H22AM1…3
23 地下水流向/地下水等高線
R2APM10…5 R2AM1…4 R元AM35…3 H29AM3…2 H28PM13…3 H27AM4…5
H26AM31…4 H25AM35…5 H25AM3…3 H24AM4…3 H22PM15…2