ナノバブルの圧壊は、本当か?

ノバブルとは、泡の直径が、1nmナノメートル=1/1,000,000,000 mメートル=1/1,000 μミクロン前後の極小な泡のことで、

マイクロバブルとは、泡の直径が、1μ ミクロン=1/1,000,000 mメートル=1/1,000 mmミリメートル前後の泡。

ミリバブルは、泡の直径が1mmミリメートル=1/1,000 mメートル程度の泡。

 

2005~2006年、(独立行政法人)産業総合研究所高橋正好教授が、

ナノバブルの可能性」というレポートを出して以来、

ナノバブルのアプリケーション(応用分野)について、 一部産業界が俄かに活気付いた。

つまり、ミニバブル様相を呈したのだ。

々、キャビテーションについては、ストーンスキッピング(石切り)や、

船の金属製スクリューが磨耗する現象(壊蝕erosion)として、よく知られていた。

また、泡で魚雷の水中抵抗を減らし、スピードを上げる技術は、軍事の為、

各国が極秘裏に、競って魚雷のスピードアップを図った。

ドイツのバラクーダ(最速魚雷)は、スーパーキャビテーションによって時速370km以上の速度が出せる。

大型船などでも、舳先で発生させた気泡を喫水部分に散らして抵抗を下げ

燃費向上とスピードアップを図っている。

ウルトラファインバブルのアプリケーション 過去ログ

また、魚の養殖(水槽で飼う魚)などで、気泡を水に送り込むことで、酸素欠乏を防止し、

魚の成長が早くなること(生理活性が促進されること)なども早くから知られていたので、

ホタテ・カキ・エビなどの養殖で、実用化されている。

また、淡水や汽水に、泡を送り込むことで、好気性菌を活性化させ、

赤潮やアオコの発生を抑える湖水浄化にも寄与することも各地で実践されている。

クジラは、ミリバブルを(キャビテーションで)カーテン魚網状に発生させ、

オキアミやイワシの群れを追い込んで ひと呑みにする。

また、ナノバブルの洗浄効果を謳ったシャワーヘッドは、テレビCMにもなっている。

 

 

ところが

上の「ナノバブルの可能性」というレポート中に、

ナノバブルの圧壊時、その瞬間には(計算上は)無限の圧力となる。」という記述があり、

我々、土壌汚染浄化事業分野でも、

これのアプリケーションに随分、時間お金を割くことになる。

 

結論から言えば、現在のところ 僕の知る限り、

ナノバブルの圧壊時、無限大の圧力となる。

についての検証は出来ていないし、証明もされていない

OHR流体工学研究所 | 化学反応・水処理設備の効率を大改善!

【マイクロバブル】圧縮破壊現象(圧壊)について | | OHR流体工学研究所 | 化学反応・水処理設備の効率を大改善! (ohr-labo.com)

を、以下に引用する>>>

マイクロバブルの「圧縮破壊現象」(圧壊)の真実

マイクロバブルを作れば、すなわち圧縮破壊現象が起きるのか

当社に寄せられるマイクロバブル関連の引合いの多くが、「圧縮破壊現象」(圧壊)への期待によるものです。

「マイクロバブル」というキーワードで検索すれば、多くのページで圧縮破壊現象が謳われており、期待が掻き立てられます。

その発端は、ある研究者が「マイクロバブルを作ると圧縮破壊現象が起こる」とするレポートを発表したことです。

その主張を様々なマイクロバブル発生機メーカーが引用し、PRに利用しています。

その主張の説明によく使われる図解を上に載せます。

その研究者のレポートには、水中で50μm以下のマイクロバブルをつくると、

マイクロバブルは表面張力による自己加圧効果で収縮し、

最終的にはバブル内部の圧力が無限大になり、

高圧の反応場が生み出され、フリーラジカルが発生する、というものです。

この主張を発端にして、「マイクロバブルを作れば、フリーラジカルができてウイルスを殺せるとか、

有機物が分解されるため、マイクロバブルだけで排水が処理ができる

などと言って装置を売る会社が現れました。

前述の研究者はその当時、権威ある国立の研究機関に所属していたため、

レポートの読者は「マイクロバブルを作りさえすれば、現在抱えている課題を解決できるのではないか」

マイクロバブルには無限の可能性が秘められている」と信じてしまうわけです。

“自己収縮”による圧縮破壊現象は、追試されていない

マイクロバブルの自己加圧効果による圧縮破壊現象は、極めて少数の人しか主張していない現象です。

マイクロバブルを作りさえすれば、表面張力によってバブルが勝手に収縮をして、

高圧のエネルギーを発する、というのが本当であれば、

そのエネルギーを使った、かつてない化学反応方法の論文世界中で相次いで発表されるに違いないわけですが、

そのような研究成果は一切発表されていません

そもそも、自己収縮による圧縮破壊現象は、追試で確認されていません

京都大学名誉教授の芹澤昭示氏は、自己加圧効果による圧縮破壊現象について、以下のようにコメントしています。

  • 既存の知見と物理的に合致しない部分を含んでいる
  • マイクロバブルは自然に圧縮破壊することはない
  • すべてのマイクロバブルが自然に圧縮破壊すると考えるならば、容器内のマイクロバブル群の中心領域は圧縮破壊に伴って衝撃波が相乗的に影響し合い、高温・高圧になるはず。しかし、実際には高温になっていない。>>中略>>

    用途によって、最適なバブルサイズは変わる

    マイクロバブルやナノバブル(今はウルトラファインバブルともいう)の世界には、

    バブルは小さければ小さいほど優れている、という風潮があります。

    たとえば「1mL中に◯◯万個のナノバブル(ウルトラファインバブル)が含まれています」というPRをよく目にします。

    しかし前述のとおり、超音波化学において圧縮破壊を起こすバブルは約150μmであり、

    ファインバブルやマイクロバブルという分類から外れる大サイズである、

    という例から分かる通り、小さいバブル=優れている、という決め付けは、

    バブルがもつ可能性を狭めてしまいかねません。

>>>引用終わり。

 

 

以下、圧壊については、あと少し記述が続くので、

【マイクロバブル】圧縮破壊現象(圧壊)について | | OHR流体工学研究所 | 化学反応・水処理設備の効率を大改善! (ohr-labo.com)を参照してほしい。

 

「山より大きなシシ(猪)は出ない」と、ホラ話を戒めることわざがある。

これは、建設業界においてマテリアルバランスとも言われるもので、

投下された材料や労力というインプットと、完成品というアウトプットの

均衡がとれているかどうかをチェックする時に使う。

マテリアルバランスは、狭義には物質収支の事で、広義にはそれに加えエネルギー収支を含める。

マイクロバブルを発生させるだけで圧壊が起き、そこから連鎖反応(chain reaction)が起きて、

投下されたエネルギー以上の効果が現れるという永久機関のような理論は、

エネルギー収支が合わないので、どこかで破綻しているとしたものだ。

既存の知見と物理的に合致しない(by芹澤昭示 京都大学名誉教授 )のだ。

僕は、サイエンスライターとしても、単なるブロガーとしても、

怪力乱神を語らず(論語)を、肝に銘じている。

ナノバブルを使って洗浄するなら、普通の水と洗浄力のある洗剤を使えばいい。

(但し、洗浄力が強すぎるのは 一部で 必要な油分まで根こそぎ洗い落とすなどの問題がある)

土壌汚染の原位置洗浄に使うなら溶剤を併せて使った方がいいと思う。

つまり、ナノバブル単独に無限の、洗浄効果・殺菌効果を期待するのではなく、

(ナノバブル)水と併せて洗剤や溶剤や殺菌剤を使えばいい

一足飛びのイノベーション(エポックメイキング)を期待するあまり、

既存の技術との比較吟味をしないのでは、

科学的ではなく、幻想に目が曇った状態だと思う。

 

 

解する人がいるので、断っておくが、

ナノバブルの効果の一部(圧壊)が、世間で喧伝される(やかましく言われる)

ようなものではないということを申し上げている。

圧壊が連鎖反応で起こるというファンタジーに付き合うのは、ムダではないか?

もしかしたら、ナノバブルの圧壊は、本当なのかも知れないが、

それを証明するには、人生短きに過ぎ  産業界となじまない。

OHR流体工学研究所 | 化学反応・水処理設備の効率を大改善!は、バブル発生機(散気管)などのメーカーで、

ナノバブルを実力以下に宣伝することにインセンティブがない。

また、実力以上に持ち上げることは、学会・産業界にとってマイナスだ。

僕も同じ立ち位置で、ナノバブルの多くの効果は、

これからも産業界で利用されるだろうし、それは大いに期待している。

重ねて確認しておくが、泡の数が多ければよいとか、

小さければ優れているというのは、いずれも間違っている。

用途によって 最適なバブルサイズ気液混合比は変わる

そして、圧壊現象に無限のエネルギーがあるというのは、追試されていない事実だ。

ナノバブルの効果に過大な可能性を期待するあまり、

既存の殺菌剤や溶剤を使わないで、ナノバブルのみに

殺菌効果や界面活性や浸透力を求めるのは、科学的でも、現実的でもない。

 

日、福島第一原発のトリチウム(三重水素)を海洋放出することに決定したようだが、

僕は、これが現実的で、正しい判断だと思うので、政府の方針決定を支持する。

これに反対する勢力が出てくることで、反日勢力を炙り出す試験紙になるのではないか?

 

 

 

 

記:野村龍司



追記

世の中には、相関関係因果関係混同がよく見られる。

つまり、医薬品には、使用と効能との間に因果関係(数多くの治験)が要求されるのに対し、

健康食品には、相関関係および個人の感想(プラセボー)までCMに使っても許される。

例えば、ヨーグルトが健康に良いというのは、摂取と因果関係ではない。

従って、厳密な証明がされなくても、相関関係だけで健康食品は売れる。

(1991年以降、トクホ:特定保健用食品という分野があるようだ)

昔から、聖水(例:ルルドの水)などと言って、宗教と結び付けられた名水は各地にある。

もし、僕が新興宗教の教祖になるなら(ありえない話だが)、単なる水を「聖水」として売る。

水を使ったビジネスは、本当に玉石混交(殆どがただの石ではないか?)なので、

気をつけないといけない。

また、フロギストンエーテルパロチン など、

かつて、権威ある学者が提唱した概念であっても、

現代科学で否定されているものは、挙げればいくらでもある。



過去ログ
ミッション:湖水浄化 
センス・オブ・ワンダー

 





参考(教訓として)
「水からの伝言」 by江本勝:名勝の水や「ありがとう」等の言葉を見せた水からは綺麗な結晶ができ、
             水道水や「ばかやろう」等の言葉を見せた水からは
             いびつな結晶ができるといった、科学的には荒唐無稽な話が
             写真と共に語られる。世界で250万部!?売れたという本。       
             道徳の教科書(小学校の授業)や、NHKラジオでもとりあげられた。
             参議院の松あきら が国会でとりあげたことでも有名。

ナントカ還元水      :松岡 利勝(1945年2月 – 2007年5月)第42代農林水産大臣。

             日本の内閣制度発足以後では2人目(日本国憲法下では初)の

             現職閣僚として自殺した人物。・・・が、

             事務所経費を追及された際に、備品として計上した水。