泊鉈

鉈:とまりなたは、越中鉈トンビ鉈とも言う。

1、泊鉈Part1 2007.3.26 

2、泊鉈Part2 2007.3.26 

文部省唱歌 「村の鍛冶屋

一、
暫時しばし も止まずに槌打つ響
飛び散る火の花 はしる湯玉
ふゐごの風さへ息をもつがず
仕事に精出す村の鍛冶屋

二、
あるじは名高きいつこく老爺おやぢ
早起き早寝のやまひ知らず
てつより堅しと誇れる腕に
勝りて堅きは彼が心

三、
刀はうたねど大鎌小鎌
馬鍬に作鍬さくぐは 鋤よ鉈よ
平和の打ち物休まずうちて
日毎に戰ふ 懶惰らんだの敵と

四、
稼ぐにおひつく貧乏なくて
名物鍛冶屋は日日に繁昌
あたりにるひなき仕事のほまれ
槌うつ響にまして高し

 
 
 

3、泊鉈Part3 2007.3.26 

かつて、このあたり(富山県下新川郡朝日町桜町)には、鍛冶屋(カンジャ)が軒を連ねていた。

「自分だけがうぞいもん作るわけにいかんねか、そうやって腕を競い合って、いいもんが出来たがだと思います。」  

※うぞい=情けない、ダメな  という意味の富山弁

「こうして眺めて見たちゃね〜 同じもんちゃ、一つもないが。何十丁作ってもね〜ぇ、気に食たんちゃ、一つもないがです。」

「『鉄は熱い内に打て』といいますでしょ、そのとおりで、黒くなると もう 言うことを聞かんがいょ」

「刃物を作るということは、少しでも心に曇りがあってはならんがいちゃ」

「日本画家の奥村土牛はねぇ『芸術に完成はなく、どこまで大きく未完成で終わるか』といいましたが、全くそのとおりだと思います」

・・・・・大久保名人語録

¥20,000也

上の、泊鉈とまりなたを作る鍛冶屋は、現在ひとりしかいない。

僕は、その最後の鍛冶屋の大久保中秋さん(1930.9.24生:90才)の自宅

(工房・販売所)に行って、大久保さんと話をして、泊鉈を購入してきた。

製作数は、3~4本/1日 という、大変貴重なものだ。

ネット販売は、していなくて、現金書留到着後発送または、

僕のように、工房に行って、直接求める以外にない。

営業時間は、平日午前中のみ。

4、鍛冶職人の朝 泊鉈と大久保名人 2020.2.21 

5、泊鉈 大久保中秋 伝統鍛治職人 2019.3.25 

6、泊鉈を学ぶ① 大久保さん史上初の200匁を作る 2019.6.26

7、泊鉈を学ぶ② 14寸地金取り 7対3の割り込み 村の鍛冶屋の鏨に向槌を打つ 2019.6.27 

8、泊鉈を学ぶ③ 鋼の楔刃鍛造 割込みに炭素鋼を鍛接 硼砂硼酸鉄粉クスリ鍛接 2019.7.1 

9、泊鉈を学ぶ④ 鍛造成形 鳶鉈のトンビと鎬を成形 2019.7.4  

10、泊鉈を学ぶ⑤ 3種のグラインダーで整形 藁灰焼鈍 アニーリング  2019.7.6 

11、泊鉈を学ぶ⑥ 焼鈍後 鏟掛け台で鑢と鏟 裏スキの槌目を切削  2019.7.10  

12、泊鉈を学ぶ⑦ 焼入れ焼戻し 匠の技 止め焼き法 2019.7.14  

13、泊鉈を学ぶ⑧完 200匁完成 焼入れ後蛤刃への研ぎ 防錆仕上げ 柄付けは自作 2019.7.19  

14、泊鉈 越中富山最高の鉈 前編 柄を作る 2019.6.13  

15、泊鉈 越中富山最高の鉈 後編 柄完成 2019.6.15  

16、泊鉈 越中富山最高の鉈 続編 大久保さんに柄を見てもらう 2019.6.22 

17、越中泊鉈の柄を頼んだら 2019.7.20  

18、泊鉈 名人 大久保中秋氏 番外編① 伝統工芸に新シールを作る 2019.7.21  

19、泊鉈 名人 大久保中秋氏 番外編② ドガネとメクギで柄付け 全工程完結 2019.7.28  

20、ナタの片刃と両刃の違い 泊鉈 2017.6.17  

21、私の越中泊鉈の研ぎ方 メンテナンス 2019.8.23 

そもそも、鉈(なた)は、斧の一種に分類される、日本独特の刃物で、独自に進化を遂げた。

僕は、子供のころから、風呂の薪をくべる際に、をよく使ってきたし、

竹の枝を払ったり、割ったりするのにを使ったが、家にあったのは、泊鉈ではなかった。

泊鉈は、刃が直線ではなく、先の刃が湾曲しているので、

斧のように重力を利用して、真下に落として使うのではなく、

斜めに振り下ろして、その慣性で、引きながら(=草刈鎌のように)使う。

固くて太い木をガツンと打って倒すのではなく、なま木

bush(潅木)を、刈り払いするのに威力を発揮する。

大久保さんは、僕に泊鉈を手渡す際に、

「最初からガンガン使わんと~、少しづつ、ゆっくり慣らして使われ~」と言って渡してくれた。

その言葉をしばらく反芻していたのだが、僕は、

「固い木をガツンと打って倒す為ではなく、

なま木を、斜めにスライドさせて刈り払いするための道具なんだよ」

という意味に解釈した。

包丁でも、刀でも、押し切り(垂直に押)していては、スパっと切れない。

引いてスライドさせて初めて、刃物の鋭さが生きてくる。

だから、よく当たる刃先で湾曲していて、その部分に鋼(はがね)がある。

当然、そのような使い方研ぎ方をしないと、いけない。

 

22、泊鉈鍛冶 大久保さん近況1 2010.2.12 

23、泊鉈鍛冶 大久保さん近況2 2010.2.12 

泊鉈の研究レポート 1999年 国立高岡短期大学教授 中村滝雄

泊鉈製作の作業場ならびに道具に関する調査 2010.10.20  富山大学 中村滝雄

鍛冶職人(泊鉈)大久保中秋さん宅訪問     2012.10.23  

 
 
 
 
 
 
 
 
オマケ

「伝承の技と心 越前打刃物」越前打刃物協同組合製作

付鋼と本焼の違いを考えてみます

 
 
 
 
 
 
 
 

記:野村龍司