僕は、信楽が好きで、信楽焼も好きで、
30年来、信楽に出かけては、食器など見て回ったり蒐集したりするのが趣味です。

カップとソーサーのバランスが微妙なのは、元々セットではなく、別々で購入した為。何れも人気作家の 中田篤 作
つい先日も、信楽に行き、3年ほど前から我が家で使っているコーヒーポットと
同じものを、アーサーバイオ関係者への、プレゼント用に買いました。
コーヒーをブラックで飲む人は、コーヒー好きです。
実は、僕もコーヒーが好きで、毎日 3杯以上飲むのですが、
このコーヒーポット(以下マイカフェポット)は、
急須のような手軽さでコーヒーを美味しく淹れることができます。

↑マイカフェポット
6月某日、信楽の紫香陶房におじゃまして、
マイカフェポットの作者で、伝統工芸士の小西さんに、
美味しいコーヒーの淹れ方を、改めて教えて頂きました。
今回のブログは、使用説明を兼ねています。
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マイカフェポットのおいしい淹れ方(2人分)です。
用意するお湯は、90℃~98℃で、 冬はここでカップを温めます。
最初 ポットに14g~20gの中粗挽き豆を入れ、
お湯を少量60㏄〜注ぎ、20秒~30秒蒸らして盛り上げます。
次に中蓋の下まで熱湯を入れ、1分待ちます。
上部を軽くスプーンでかき混ぜて 蓋をかぶせます。
2分間心を落ち着けて、ゆっくり沈殿するのを待ちます。
予め 温めておいたカップにおもむろに注ぎます。
素朴で、薫り高いブラックコーヒーが楽しめます。
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小西さんの 軽妙な語り口を聞くのは、楽しいです。
小西さんと話をしていると、ヒロシという名の
妙齢の三毛猫が、顔だけ不愛想に、膝に乗ってきます。
猫でも犬でも、自分の飼主と話している人物との距離を瞬時に判断します。
妙齢というのは 結構お歳を召していらっしゃいます。
推定19歳(拾われてから18年)ということで、エラそうです。
関西弁でエラいというと、カラダがしんどいという意味ですが、
ヒロシは両方の意味でエラそうです。
三毛猫なので、メスですが、
ワケあってヒロシだそうです。

ろくろ仕事のジャマをするヒロシ
以上は、余談です。
以下も、余談です。
コーヒー豆のウンチクを、タレます。
コーヒー豆の薫りが最も高いのは挽きたてです。
挽いてから抽出までの酸化を極力抑えること
(空気に触れさせないこと)が、アロマを抽き出す鍵になります。
ですから、炒った豆をホールビーンズの状態で買ってきて、
家のミルで挽いて、直ちに抽出するのが理想です。
ヘタな喫茶店よりも、コンビニコーヒーの方が美味いのは、
コンビニコーヒーがその都度、挽きたてを淹れるからです。
さて、ブラックコーヒーの淹れ方として、
ペーパードリップ方式やサイフォン式やフレンチプレス方式などが主流です。
コーヒー粉に湯を触れさせ、抽出液を濾す(フィルトレートする)やり方で、
フィルターには、ペーパーやネルやステンレス網などがあります。
これらのフィルターの「目あき」は、
ペーパーフィルター<ネルフィルター<ステンレス網 の順に粗くなります。
サイフォン方式はネルを使っていて、
フレンチプレス方式もコンビニコーヒーもステンレス網です。
いずれも、フィルターの下にコーヒー粉の層を形成して、プレスして透過させる透過方式です。
それに対し、バリコーヒーは、極細挽きのコーヒー豆を
直接カップの中に入れて熱湯を注ぎ、
沈殿するのを待って、上澄みを飲む浸漬方式です。
それぞれ 一長一短あります。
今回のマイカフェポットは、バリコーヒーに同じく浸漬方式ですが、
粗挽き(~中挽き)を、ポットに入れて浸漬させカップに移して飲みます。
急須感覚で簡単にアロマティックなブラックコーヒーを楽しむことができます。
ペーパーやネルや金属などの異材を使っていない陶器100%の素材は、
コーヒーやお茶との相性が抜群です。
本品は2段濾しになっており、コーヒーポットのみで、コーヒーを淹れることができ、
コーヒー滓の混入を最小限に抑えることができる構造です。
最後に、ポットに残ったコーヒー滓を洗い流す際に、
ポットの柄の側は、内蓋を載せる突起が切り欠いてあり、
ここから滓を流し出すと、洗い流し易くなっています。↓
以下、従来の抽出方法との比較です。
ペーパーフィルターは、シンプルで手軽なので、シェアが最も高いです。
コーヒー滓を、ペーパーと一緒に捨てることができるのも 長所です。
短所は、コーヒーの薫りのprima donna (オペラの主役歌手)ともいうべき
肝腎のアロマ(油分=コーヒーオイル)を紙で取り去ってしまうことです。
又、フィルターペーパー(消耗品)を常備する必要があります。
フレンチプレスで、粗挽き豆を使えば、マイカフェポットに最も近い味が出せます。
透過方式なので、ステンレスフィルターの上のコーヒー層を透過させます。
ステンレスフィルターは、都度洗う必要がありますが、繰り返し使うことができます。
フィルター周囲(ガスケット)からのコーヒー滓の混入を防ぐのが難しいです。
エスプレッソマシンでは、バックフラッシュによってフィルターに付着した
コーヒー層を吹き飛ばして、フィルターを繰り返し使えるようにします。
サイホン式は、ビジュアルに抽出過程を楽しむことが出来て、
100℃強の高温で抽出するので、雑味もすべて凝集した、
ガツンとした濃厚な味を楽しむことができます。
高温とネルドリップというのが特徴です。
その都度洗うのが、手間なのが難点です。
トルココーヒーは小鍋に、砂糖⇒極細挽コーヒー⇒水 の順に入れて、
鍋を火から離したりしながら2~3回煮沸し、
カップに注いでから、上澄みを飲みます。
残ったコーヒー滓で占いをします。
缶コーヒーに近い味ではないでしょうか。
全く同じ豆を使ったブラックコーヒーでも、淹れ方や、
それぞれの好みや習慣により、様々な楽しみ方がありますが、
僕は、ヘビーユーザーとして、このマイカフェポットをお薦めします。
やがて心うきうき とっても不思議このムード ♫
たちまちあなたはマイカフェポットに恋をする ♪
こと請け合いです。
・・・コーヒールンバ(西田佐知子/井上陽水)の歌詞より。
あらかじめ温めておいたコーヒーカップに注ぎ入れます。
カップ表面を見ると、マイカフェポットならではの
コーヒーの油分がキラキラと光っているのがわかります。
コーヒールンバの 情熱のアロマッ!
元は 「古いコーヒーミルの哀しい恋の歌(スペイン語字幕付)」
哀愁のアンニュイなメロディなのね。
↓信楽焼のコレクション

↑朝ドラ「スカーレット」のロケ地 : ほうざん窯の八寸皿。 ブリュレ(焦がした砂糖)のような釉薬は、ウィスキー樽から作った。サントリーとのコラボ商品「樽物語」谷寛 作

赤木三枝子作

20年以上使っているマグカップと、殆ど使っていない猪口。絵の調子が違うのは、別々の時期に購入したためで、金魚のデザインは、今となっては絶版の希少品。
楽天マイカフェポット
文責:野村龍司