↑は、京阪電気鉄道のポスターで「のんびりゆったり京の奥座敷へ 鞍馬貴船大原」とあり、
「京都の洛北にお出かけしましょう」という趣旨。
鞍馬には、火祭りという奇祭があって、鞍の安の点が炎で赤い。
貴船(貴布禰)神社は、水の神様なので、船の点々が、水滴の水色。
大原は、原の点々が、葉っぱの緑。
対比のバランスや色使いのセンスが良くて印象的なポスターだ。
貴船神社のおみくじは「水占みくじ」といい、水に浮かべると文字が浮き出て、
さらにそこにあるQRコードを携帯電話で読み取ると、
おみくじの結果にアクセスできるように、なっている。
携帯端末の言語設定を認識して自動で翻訳文を表示する仕組みで、音声でも再生される。
貴船神社が2次元コード対応のおみくじを始めたのは2016年。
QRコードは、観光地の案内や、美術館・博物館の説明文などでも使われていて、
同じ京都の観光地では、伏見稲荷大社(京都市)にも導入済みだという。
また、夏には貴船一帯の川床(ゆか)で、そうめんや鮎料理を食べるのが人気だ。
参道にある↑の岩は、天乃磐船(あめのいわふね)といい、重さが6トン
貴船の山奥から出土したものを、地元の造園家が寄進したという。
船は、海上(や宇宙)で唯一の交通手段であり、人と人・文化と文化の交流(結ぶ)
ということから、縁結びの信仰と関わりがある。
また、船は神の乗り物として神聖視され、当社と船の縁は深い・・・>>>という説明書きがある。
結社(ゆいのやしろ)
昔、男が女に名前を問うことは告白だった。
妹の木花開耶姫は花が咲いたような美人だけど、姉は磐のようなブス!
「あまり綺麗ではない」とは言わず、「たいへん醜い」とストレートな表現。
バルク(不動産業界での用語)で貰って呉れと、
オマケに姉を付けたが、姉の磐長姫だけが、実家に返された。
磐長姫は、自分の醜いことを恥じて縁結びの神として貴船神社に鎮座された。
表現が簡潔ストレートなので 却って ストーリーに余韻がある。
>>>これは、古事記や日本書紀の天孫降臨にも出てくる話だ。
↑奥宮の船形石(船形石は石組みと叢の中にあり、見えない)
貴船神社は、船乗り達から「船玉神」として信仰され、
現代でも船舶関係者等からの尊信がことさら篤い。
古来、日本人は川上への憧れがあった。
「澄む」という字は、「川を登る」と書くように、
川上は清浄な場所であり、モノを生み出す神秘の処であった。
それは「水を飲む時には源を思え」といわれるように、
ものと心を大切にする、報恩反始の精神につながっていく。
貴船神社創建に関わるこの伝説も、このような遡源思想が根底にあり、
万物の根源である水に対する信仰と相まって、
貴船信仰として全国に広がっていったのであろう。
貴船の地名の由来については、諸説あり、
御創建伝説では、神武天皇の皇母・玉依姫命が乗った御料船の「黄船」
あるいは「樹生嶺」または「気生根」など、様々な説がある。
さらに読み方に関して、地名として「貴船」を「きぶね」と発音するのが一般的だが、
神社名を公式に申し上げる際には「きふねじんじゃ」とにごらずに発音することにしている。
それは、神域には絶えず美しい御神水が湧き出しているように、水の供給を司る貴船大神様を称え、
その清らかなお水がいつまでもにごらないようにと祈りをこめて、
「きふねじんじゃ」と申し上げるのである。
>>貴布禰神社の公式ホームページより
冒頭のポスターでは、KIBUNEとなっているので、
これは地名をさしているのだろう。
ところが、先週の帰宅時、淀屋橋界隈で呑んだ僕は、
貴船神社は水の神様でにごらないという半可通な知識で、
出町柳駅に着くと、酔った勢いで駅務室に行って、
「このポスターのKIBUNEは、KIFUNEの間違いでしょ」
と京阪電車の3人の駅員さんに注進して、
言いたいことだけ言ったので、さっと帰ったのだった。
あとで調べたら、地名ならKIBUNEで正しい。
普通に考えてみると、京阪電車の駅員さんは、
当然に知っているに違いない。
あ~恥ずかしい!
オマケ
文春砲だけど、「モリカケ問題」「桜を観る会」よりもさらにしょぼい(どーでもいい)!
記:野村龍司