jewel beatleとは、玉虫のことで、
1年前に当欄「ヤマトタマムシの話」に書いた。
昆虫は一般に、植物と共生していて、昆虫の種類は植物の種類よりも多い。
(昆虫の種類は約100万種、植物の種類は20~30万種)
タマムシはニレ科の樹に集まるが、ニレ科の樹(エノキ・ムクノキ・ケヤキ)の中で、特にエノキに集まる。
また、国蝶であるオオムラサキも、特にエノキに集まり、エノキの葉を食料にしている。
エノキの葉で育つオオムラサキの幼虫
オオムラサキもヤマトタマムシもエノキの葉を食べるのだが、この2種は美しい昆虫のツートップだ。
彼らは、飛んでいてもケヤキとエノキの区別がつく筈で、おそらく本能に刷り込まれている。
僕は、玉虫採りを始めてから、
遠くから樹を見ても、ひと目で、エノキとケヤキの区別がつくようになった。
目が虫の目になったのだ。
エノキの葉とケヤキの葉では、反射光が違う。
ケヤキの葉はツヤ消しの緑だが、エノキは緑が濃く、反射光が妖しく輝く。
↑エノキ(葉っぱの虫食いは、タマムシかオオムラサキか)
国道の大エノキ(京都府相楽郡井手町 R24木津川沿いにあったが、昨2018年の台風12号で倒れた)
さて、実山椒は6月の初めごろから、出回り始めて、6月の終わりとともに市場に出なくなる。
じゃこ山椒
僕は、子供のころから、山椒は柑橘類だということを知っていた。
なぜかというと、アゲハが、山椒(サンショウ)に卵を産むところや、
幼虫(catapiller )が、ユズや枳殻(カラタチ)や山椒(サンショウ)の葉で大きくなって、蝶になるのを何回か見ていたからだ。
拡大して見ると、山椒の実はみかんのような肌をしている。
↑みかんの葉で育つアゲハの幼虫(catapiller )・・・目のように見えるのは、ヘビに擬態している為で、目ではない。
つつくと臭角を出して威嚇する。
↑アゲハ(ナミアゲハ)
キアゲハは、セリ科の植物に卵を産む。(セリ・ニンジン・パセリ・ミツバ・フェンネルなど)
僕は、野生のセリや畑のニンジンにキアゲハの幼虫がつくのを見て、ニンジンはセリ科だということを知っていた。
パセリで育ったキアゲハの幼虫
警戒色で威嚇する上に、刺激するとやはり臭角を出す。
↑キアゲハ
やつらのメタモルフォーゼに魅せられて、それらは、僕の一生の財産なんだが、、、
だから何なんだ?と訊かれたら、
子供に、虫採りを教えられる事ぐらいだろうか?
オマケ
昨年の当欄 昆虫採集の夏
「虫捕る子だけが生き残る」小学館101新書
「ぼくは 虫ばかり採っていた」青土社
オマケのオマケ
記:野村龍司