空気中のCO2を固定するのは、植物の光合成だけではない

久しぶりにサイエンスライターのような記事です。

地球二酸化炭素濃度 というキーワードで検索すると、気象庁の資料がヒットしたので、にリンクを貼ります。

国土交通省>気象庁ホーム各種データ・資料地球環境・気候

>大気・海洋環境観測年報 より 2016年までの観測成果を閲覧できます。
 「大気・海洋環境観測年報」は、地球温暖化、オゾン層破壊、酸性雨や海洋汚染といった地球規模の環境問題に関わる大気や海洋の状況について、気象庁が行っている最新の観測データをとりまとめたものです

 観測データの収録内容は、大気中や海洋中の温室効果ガス観測、オゾン層破壊物質とオゾン層や紫外線観測、エーロゾルや日射量の観測、酸性雨と関係する降水・降下じんの観測、海洋汚染の観測です。

 

【参考】気象庁 地球環境・気候のページ      ←には、近年の異常気象の原因分析など色々あって、興味深いですが、原因を北太平洋の温水塊や暖流の動きに求めるという結論ばかりです。

※それでは根本の原因は何なのかという疑問に対しては、おそらく

人 間 活 動が諸悪の根源なのだろうというように(気象庁は)誘導しているのだと思います。(勿論、それは間違いではない)

温室効果ガス3種類(CO2,CH4,N2O)年報

二酸化炭素濃度 球面分布図(年平均値)では、1985年以降のCO2濃度が色で見ることができますが、1985年の340ppmから2017年の405.5ppmまで、

紫から暗赤色までの変化を一目で見ることができるようになっています。

産業革命以前の1750年のCO2濃度世界平均は、278ppmと推定されているので、2017年の対1750年比は、405ppm/278ppm=145.7%

最近の10年間の平均増加量は、2.24ppm/年です。

CH4濃度(メタンガス濃度)の報告では、1750年のCH4濃度世界平均は、722ppbと推定されているので、2017年の対1750年比は、1859ppb/722ppb=257.5%

最近の10年間の平均増加量は、2.24ppb/年です。

N2O濃度(亜酸化窒素/一酸化二窒素濃度)の報告では、1750年のN2O濃度世界平均は、270ppbと推定されているので、2017年の対1750年比は、330ppb/270ppb=122.2%

最近の10年間の平均増加量は、0.93ppb/年です。

上記3種類のガスが、N2OCH4CO2の順に地球温暖化に寄与(影響・悪さを)していると言われます。

 

次に酸性雨

酸性雨とは

酸性雨とは、二酸化硫黄(SO2)や窒素酸化物(NOx)などを起源とする酸性物質が雨・雪・霧などに溶け込み、通常より強い酸性を示す現象です。酸性雨は、河川や湖沼、土壌を酸性化して生態系に悪影響を与えるほか、コンクリートを溶かしたり、金属に錆を発生させたりして建造物や文化財に被害を与えます。
なお、気象庁では雨などに溶け込み地表に降ってきたものを「湿性降下物」、雨以外の乾いた粒子等の形で降ってきたものを「乾性降下物」として化学成分の測定を行い、両者を併せて「降水・降下じんの化学成分」と呼んでいます。また、現在では、「酸性雨」は湿性降下物及び乾性降下物を併せたものとしてとらえられることが多く、「酸性降下物」という用語も使われます。

酸性雨の指標

物質の酸性、アルカリ性の度合いの指標として一般に水素イオン濃度指数(pH、ピーエッチまたはペーハー)が用いられており、酸性度が強いほどpHは低くなります。純水(中性)のpHは7ですが、降水には大気中の二酸化炭素が溶け込むため、人為起源の大気汚染物質が無かったとしてもpHは7よりも低くなります。大気中の二酸化炭素が十分溶け込んだ場合のpHが5.6であるため、pH5.6が酸性雨の一つの目安となります、火山やアルカリ土壌など周辺の状況によって本来の降水のpHは変わります。

酸性雨の原因と国際的な監視・観測体制

酸性雨の原因は、化石燃料の燃焼(人為起源)や火山活動(自然起源)などにより放出される二酸化硫黄(SO2)や窒素酸化物(NOx)です。これらのガスは、大気中で光化学反応などの化学変化を起こし、硫酸や硝酸となって降水に溶け込み、酸性雨となります。
また、原因となる物質が放出されてから酸性雨として降ってくるまでに、国境を越えて数百から数千kmも運ばれることもあり、その動向を監視するために世界各国が協力して様々な観測・分析を行っています。世界気象機関(WMO)の推進する全球大気監視(GAW)計画の下で、ヨーロッパや北米を中心とする約200の観測点で降水の化学成分の測定が行われています。アジア地区では、「東アジア酸性雨モニタリングネットワーク(EANET)」の下で、酸性雨モニタリングを共通の手法で行うための取り組みが進められています。

 

次に、降水・降下じんの化学成分

降水・降下じんとは、物質が大気から地上へ向かう沈着の過程であり、物質の放出・輸送とともに物質循環を構成している重要な概念です。近年、大気中の酸性物質が地上に降下沈着し、河川、土壌、植物などの環境に悪影響を及ぼすことが問題となっています。
大気中の主要な酸性物質は、化石燃料の燃焼で大気中に放出される二酸化硫黄や窒素酸化物から光化学反応過程などによって生成される硫酸や硝酸です。これら酸性物質の降下沈着のうち、一般的には酸性雨が有名ですが、気象庁では雨以外の塵などの粒子等の沈着も観測し、その化学成分を分析しています。

酸性沈着とその定量化

酸性物質が地上に降下する過程は、雨、雪、霧などに溶け込み降水として降下する場合(湿性沈着・酸性雨)と、微粒子又はガスとして降下・付着する場合(乾性沈着)があり、両方を含めて酸性沈着と呼んでいます。酸性沈着による影響の大きさは、大気から地上に降下した酸の量によって決まります。雨の場合、酸性がそれほど強くない雨でも降る量が多ければ、酸性の強い雨が少し降るよりも地上へ沈着した酸の量が多くなることがあります。実際の酸性沈着における影響は、酸の強度の変化が生物に影響を与える場合と、アンモニアのように沈着物質そのものが生物に影響を与える場合とがあります。
一般に降水の酸性度は水素イオン濃度の対数であるpH(ピーエッチまたはペーハ)により、pH= −log[H + ]で表されます。ここで[H + ]は水素イオンの濃度を表し、pHが7より小さいと酸性、大きいと塩基性(アルカリ性)となります。降水中では、他のイオン濃度との平衡状態により水素イオン濃度が定まります。

東アジア域での動向 アジアの大気汚染リアルタイム状況

二酸化硫黄や窒素酸化物が大気中へ放出されるとやがて酸性沈着を引き起こしますが、大気中のエーロゾルの中には大気中の酸を緩和する物質もあり、実際の大気中の挙動には未解明な点が多くありました。近年、大気質(air quality)モデルの発達に伴い、酸性沈着の影響をモデルの数値計算で評価する研究が進みつつあります。これによると、アジア大陸における汚染物質放出の急速な増加によって、東アジア域全体において降水の酸性化が進んでいます。Terada et al. (2002)は、モデルを使って1985年から1995年にかけて、中国北東部を中心とした地域で月平均値で0.3~0.8の、日本と韓国において月平均値で0.1~0.2のpHの減少を推定しています。一方、黄砂などの土壌エーロゾルはカルシウムなど酸を中和する物質を含んでおり、これが東アジアの降水中の酸を緩和してpHを上げていることがわかってきました(Terada et al. , 2002; Wang et al. , 2002)。例えば、Wang et al. (2002)は、黄砂などの土壌エーロゾルがあった場合、中国北部でpHが0.8~2.5(水素イオンが8倍~25倍になる)、日本でも0.1~0.4上昇する(水素イオンが2倍~4倍になる)と推定しています。

日本での酸性雨の状況

全国の主な都道府県で行われている酸性雨の観測結果について、2014年3月に環境省から発表された越境大気汚染・酸性雨長期モニタリング報告書(環境省, 2014)にまとめられています。 これによると、平成20年度から24年度における降水pH の地点別年加重平均値(平成20年度末で休止の地点を含む)の範囲は4.48~5.37であった。全地点の5年間のpH 加重平均値 (平成20年度末で休止の地点を除く)は4.72 であり、降水pHは引き続き酸性化した状態であることが認められたと報告しています。

 

以上、気象庁HPからの引用終わり。

酸性雨の影響下では土がPH5.5以下になると土中のアルミニウム溶出によって、針葉樹林の大量枯死(松枯れ)

湖沼の魚卵の死滅が起きます。

炭は地球を救う宮下 正次 より(著書で宮下は、間伐材などを山の炭釜で焼いて土壌に撒けば、酸性雨を中和できるという)

 

中国の工業化(1985~現在)が、石炭火力を主にして発展してきた為、

人間活動のガス排出は、1750年~1985年(235年間)の増加と1985~現在(30年間余り)の増加がほぼ同量という加速傾向があります。

また、地球温暖化によって、冬季の湖沼表層水温上昇の結果、湖水の鉛直循環が停止し、湖水透明度の低下(奇しくも、丁度1年前の当欄)が起きます。

 

ここで、本題の「CO2を固定するのは、植物の光合成だけではない」について、

植物以外には光合成細菌 が、CO2を取り入れ、酸素を放出します。

また脊椎動物や、貝類や珊瑚はCO2とCaを原料として骨(CaCO3;炭酸カルシウム;内骨格・外骨格)を形成するので、死んでも

空気中および水中CO2の固定化に貢献 (地球温暖化ガスを減ら)しています

 

 

以下 余談

おそらく、光合成細菌は、(ミトコンドリアと同様)元々単細胞生物だったものが、

オルガネラ(細胞小器官)となって取り込まれ、葉緑体になったのではないかと考えられます。

>>>なお これら細胞小器官のうちミトコンドリアは、独自の遺伝構造を持つことから、生物進化の過程や種の拡散において注目される場合があり、例えばヒトではミトコンドリア・イブのような共通祖先も想定されます。ミトコンドリアに関しては、元来別の細胞が細胞内共生したものに由来するとの説細胞内共生説が有力視されています。葉緑体に関しても共生に由来するのではないかという見方もありますが、その起源は依然不明でです。 細胞小器官 より

 

以下 余談の余談

細胞小器官の1種に、鞭毛があり、鞭毛の付け根に「ダイニンというタンパク質モーター」がついているのは、実に興味深いです

精子は鞭毛で泳ぎますつまり、精子はモーター駆動で卵子に辿り着くのです

驚いたことに、原核生物は、人類よりも10億年以上早くモーターを発明していたということになります。

これが、リチャード・ドーキンスの言う『盲目の時計職人』(The Blind Watchmaker)です。※1

鞭毛の断面を電子顕微鏡で観察すると、9+2構造と呼ばれるダイニン(タンパク質モーター)が観察されます。

緑藻クラミドモナス(Chlamydomanas reinhardtii)の鞭毛断面電子顕微鏡写真

ダイニンの断面模式図(モーターなので回転する!)

一般的な真核生物鞭毛の断面  
1A:二連管(A小管)
1B:二連管(B小管)
2:中心対微小管
3:ダイニン外腕
4:スポーク(輻:や)
5:ネキシン
6:細胞膜

ダイニン(タンパク質モーター)の構造

繊毛(cilium,複数形cilia)は、色々な種類の細胞表面に生えており、ほとんどの動物種、多くの原生動物、一部の植物に見られます。構造的には、微小管の束からなる直径約0.25µmの毛のような突起物で、横断面でみると、1対の微小管が中央にあり、その周りを9対の二連微小管が取り巻いています。この構造を9+2の配列といい、原生動物からヒトに至る真核生物の繊毛と鞭毛に共通な特徴です。 主な機能としては、原生動物の水中遊泳に使われたりヒトの気管の上皮細胞では、細菌を含むほこりの粒や死細胞などを粘液とともに喉まで運んでくれり、輸卵管の上皮細胞では卵を移動させるのに役立っています。また、精子の運動も繊毛の一種である鞭毛によって行われます。ただ、原核生物の細菌類の繊毛(鞭毛)は同じ機能でも異なる構造をもっています。

卵管内での排卵や受精卵の着床も繊毛の働きに拠ります風邪をひいて痰が(押し出されて)喉に溜まるのは繊毛のおかげということになります。

 

以下、余談の余談の余談

※1『盲目の時計職人』(The Blind Watchmaker)は、1986年リチャード・ドーキンスが出した本の題で、そのアイデアは、18世紀のイギリスの神学者ウィリアム・ペイリーが『自然神学』に著した「時計職人のアナロジー」に着想を得ています。ペイリーはダーウィンが『種の起源』を発表するより半世紀以上も前に既に在る時計の存在が、その時計を作った職人が存在するという信念を肯定するのと同様に、生物もまた、その複雑性から生命の作り手(神)の存在を肯定すると提案しました。これを受けドーキンスは人間によるデザイン自然選択作用がもたらす設計能力とを対比させ自然淘汰などの進化の作用は「盲目の時計職人」のようなものだと述べています。

このあたり、神学論を巧みに自分の学説に援用するロジックは、比喩の名手 ドーキンス先生の面目躍如といったところです。

ドーキンス先生は、悪魔に仕える牧師――なぜ科学は「神」を必要としないのか』2004や、

神は妄想である――宗教との決別』2007という本も出していますが、

中世欧州なら「宗教裁判」にかけられて、有罪(発禁)になりそうな題です。