小池百合子東京都知事のポピュリズム(大衆迎合)が変節か?
●築地跡地、一般会計に売却 都検討 知事、方針転換へ 豊洲経費などの赤字補填(産経新聞)※1
●売却?貸付? 築地市場の土地、1月下旬に判断へ(MXニュース)
11月28日に「市場移転に関する関係局長会議」が行われ、
築地市場跡地については「売却」を選択肢に入れた試算が行われることが明らかになった。
小池知事はこうした試算を元に1月にも売却か長期貸付かの方針を決定するとのことだが、
このタイミングで、新たな議題を俎上に載せるということは、
ほぼ売却の方向に行政方針は固まっていると考えて良い。
私は、土壌汚染浄化事業を請け負う実務家として、
昨年10月10日の当ブログで、以下のように書いた。
【豊洲市場移転は、都議会で決定して、スーパーゼネコンが全て参加していますが、
都知事の独断で約1年間工事が凍結された為に、莫大な遅延損害金
(約400億円とも言われ、都はその数字を公表していません。豊洲市場のスティグマも無視できません)
が発生し、元の築地市場跡地を食のテーマパークにするという決定をした事で、
跡地を売却することが出来なくなり、都はアテにしていた土地売却収入(約4300億円)を絶たれました。
科学的知見に基くことなく、具体性も財源もない決定をした都知事の失政を逆に評価して、
一定の人気があるのが解せないと思うのは私だけでしょうか?
都民が損害賠償請求の集団訴訟を起こすと小池氏が敗けると思います。】以上当欄再掲。
過ちては 改むるに憚ること勿れ(論語)と言い、
間違いを悔い改める事(節を枉げる事;変節)は、恥ではないが、遅きに失した。※2
結果として、小池氏が築地跡地利用計画を、2年半遅延したために、
2020東京五輪向けの施設が築地のすべてで、間に合わなくなった。
小池氏が過ちを認める事(「築地市場跡地に食のテーマパークを作る計画」を撤回する事)で、
遅延損害金は失ったが、土地の売却益が入るのであれば、都財政への損害は少なくて済む。
石原慎太郎氏が20ケ月前に、都議会百条委員会証言で指摘した通り、
豊洲移転は都知事の申送り事項であり、小池氏の不作為(何もしない事)によって、
都財政に損害を与えたわけだ。
豊洲移転計画の凍結は、都民の安全・健康を守る為という大義の為だったとしても、
独断で工事凍結を指示し、都財政に損害を与えた事の結果責任は(政治家として)免れるものではない。
私は、昨年の段階で、小池氏のポピュリズム(大衆迎合)は、
都民に不利益をもたらしていると指摘したつもりだ。
「都民の食の安全第一」というスローガンは良いが、
現実には 豊洲へ移転しても、魚や野菜を鉛汚染の井戸水(基準値の80倍)で洗ったりはしないので、
専門家として言わせてもらうと、
土壌汚染対策法に則して対策をして、汚染をコントロールしているのだから、
小池氏が立ち止まって考えると言って工事を凍結した12ケ月間は、ムダ以外の何者でもない。
小池氏はwise pending stayとかうそぶいているが、
これの何処がwiseなのか教えてほしい。
迷っている事と考えている事とは違う
それは、小池氏のスタンドプレーであり、アピールプレイであり、シミュレーションである。※3
はっきり言って、土壌汚染対策法に則して対策をした場合、汚染は(初めから)無かったことになる。
なぜなら、それが、土壌汚染対策法の精神だから!
※1 都が、独立採算の中央卸売市場会計から一般会計に売却する「有償所管換え」を行うという その売却金額が、4600億円というから、↑の予測(遅延損害金400億円+土地売却収入4300億円)は、近似値だ(イイ線行ってる)。
※2 発表は、11月29日で、11月29日は「言いにくいことを言う日」、つまり(過ちては 改むるに)憚ること勿れの日。
もし、都知事が升添さんでも猪瀬さんでもマック赤坂さんでも、或いは内田元都議会議員が健在なら、疾うの昔に売却の決断をしていたのでは?
石原慎太郎は、前回2016都知事選で小池氏の対立候補(増田 寛也;次点)の応援演説の際に、
(小池氏のことを)「厚化粧のおばさん」と言って女性有権者から反発を買い、
むしろ小池氏に加点した(おいしい野次が飛んできた)と言われた。
※3 願わくは、局長級会議で具申した売却案を、小池氏の独断で中止にする事(ご乱心)だけは、止めて頂きたいものだ。「過ちては 改むるに憚ること勿れ」である。