小泉今日子16才のドタキャン  おから投げ

NF(November Festival)は、京都大学の学園祭で、

例年11月23日あたりの4日間で行われる。※1

僕は現在、京大の東側の吉田山の さらに東側に住んでいて、

吉田山の鞍部を歩いて越えると京大だが、

NF(昔は、11月祭と言った)に出向くことは滅相ない。

今年は60thだから、今から36年前、滅相出かけることのない筈の、

第24回11月祭の最終日に出かけた時の話。

その日、吉田グラウンドの特設ステージ

 空前の異様な熱気に包まれていた。

学園祭の棹尾を飾るファイアーの薪

グラウンドの真ん中に、井桁に積み上げられて

 コンサート開演予定時刻の16:00には、

僅か100メートル四方のグラウンドに 推定1人余の群衆

演者の登壇を 今か今かと待ち構えていて

肝心のメインキャストは、時間を過ぎて出て来ないのだった 。

狭いグラウンドに、若者のエネルギーが溢れているのとは対照に、

 つるべ落としの秋の陽は、人を待たずにとっぷり暮れて、

 祭りの終りは連休の最終日と重なり、何処となく名残惜しく

演者が来ないのではないかと云う予感を漂わせながらも、

 学祭運営からの説明も無いので、

 2万人とも言われた空前絶後の群衆は、中々帰ろうとしなかった。

演者(メインキャスト)は、当時16才にして、人気絶頂小泉今日子だ。

 そして僕は人口密度が100万人/㎢という (100m平方に1万人)

超過密群衆の中の一人だった

開演が遅れているのに苛立って

「俺がキョンキョンの代わりだ!」と、

勝手に、ステージに登壇して騒ぎ出す若者と、

 「引っ込めえ~」と靴下を丸めて投げ付ける者 。

時間が経つにつれ、騒動の収拾が付かなくなっていった

 後で聞くと、その頃、小泉今日子は、会場に到着したのだが、

群衆の騒ぎ方が、異様だったので 、

恐れをなして(警備上の不安を感じて)引き返したそうだ 。(ファイアーも中止になった)※2

You Tube動画を見つけたので貼っておく。

その時代、学園祭で最も人気のある演し物は

 飲み物や食べ物の屋台(模擬店)ではなく

 フリーマーケットでもミニコンサートでもなく

 研究発表やおから投げでもなく ※3

つまるところ 出会い系」のボードにピンで留めてある プロフィールを書いた

紙切れ300円で買うと何と!若い女性(恋人募集中)

の電話番号を教えてくれるという恋人紹介だった。

恋人紹介の出店側からすると、学生の人脈と義理だけで、

 女性のプロファイルを仕入れるので、仕入原価がゼロ。

 しかも、複数に同じ情報を売る多重売も、可能であった。

又、買う方も、電話番号と名前だけ判れば、後は自由恋愛だ。

一対一でも合コンでも、相手の女性が、出会いを求めていると思えば、

突然 電話する事にも、大義名分があって、

京大生を名乗ると、少なくとも一度は逢うことができた。(当時僕は、京大に籍があった)

出会い系の出し物が、大学品位に悖ると言う理由で、

学園祭の実行委員会によって一切禁止となるのは、

時代が昭和から平成に代わる直前の頃だ 。※4

そう言えば、知り合いで「私、300円の女なんです」と言う人がいた。

ダンナが「京大の体育会系硬派で、2年連続日本一になった時のメンバーだった。

(最近アメフト悪質タックルの件でTVにコメントしていた)

その美人の奥様は、京大学園祭の「恋人紹介」が取り持った縁で結婚に至ったそうだ。

(お子さんが2人いるので、成果物もあるではないか)

僕の年譜では・・・ロックンロール時代(転石の時代)だったので、

 この「紹介カード」のお世話にもなった様な気もするのだが、

昭和の終わりから平成にかけては、

 学校で教わらない凡ゆる種目に勤しむ期間で

あてどなく転がり続け 二十代は、思い出したくない事が最も多い時代だ

携帯電話が無かった時代で、電話口に恐いオヤジが出たり、

 女子寮の舎監さんの呼び出しだったりもしたが、、、

紹介カードに写真がついている訳でもないのに、

 カードを何枚も持って、名前やプロフィールを眺めて、

一方的に、アレコレと妄想したものだ 。

↑学園祭の悼尾を飾るファイアー

 

 

 

※1 2018京大の学園祭テーマは「(当局により撤去されました)」 過去の統一テーマ一覧

 

※2 今年は立教大学の学園祭で、橋本環奈警備上の理由で、同様にドタキャンしたという。

僕らは、コンサート中止を確認すると、近衛通りのスナックOscar(この年の菊花賞馬はホリスキー)に行った記憶がある。

※3 おから投げ

僕が入学した昭和52年の学園祭では、やっていなかったが、

僕が田舎の県立高校2年生だった昭和50年11月。

同級生が京大見学ツアーと称して出掛けた時の報告によると

虎柄パンツ一丁の学生(たぶん野球部)が、おから投げの標的になって

おからで握った球を、3球/¥200ぐらいで投げさせて 当ててもいいということらしい。

おっから投~げ!  おっから投~げ!」と歌って、変な踊りを踊って客を誘い、

当れば、復た、変な踊りで悶えてくれるのだ。

京大見学ツアーに行った4人の同級生のうち3人は、京大を受験すらしなかったし、

あとの1人は、2回受験して、諦めて別の大学に行った。

京大見学ツアーにも行かず、京大生はアホなことをやるもんだ という土産話を聞いた僕は、

おから投げを見たわけでもないのに、京大に入ってしまえばアホな事をしても、

自他共に許されて、それが自由なんだという京大生の気風を感じ取った。

きっと、それまで僕は、アホなことをする大人はアホだと思っていたのだ。

まじめな(ところがある)ハズの京大生が、おから投げの標的になって踊る姿を想像して、

僕はその時、京大に行けば自分を開放することができるんだと 思ったのだ。

 

 

※4 世界経済も「1985プラザ合意を境に、大きく流れが変わった。