僕は以前から、醤油・味噌製造に、ミネラル豊富な海水を使うことが出来ないかと考えていたが、
海水(や岩塩)を原料として、そのミネラルバランスを保ったままの自然塩が、昔からある中で、
塩専売法施行(製塩事業の国有化1949)以降、専売公社(1949~1985)の、NaCl純度が高く精製された
99.99%NaCl食塩を材料に製造した醤油・味噌を摂取している日本人は、
ナトリウムNa過多で、カリウムK・カルシウムCa・マグネシウムMg他、微量ミネラルが常に不足している。
99.99%NaCl精製塩はミネラルバランスが偏り過ぎて悪く、海水が理想のミネラルバランスだ。
99.99%NaCl(精製塩)が普及するにつれ、それまで日本では少なかった病気
すなわち 高血圧症、脳梗塞(卒中)、心筋梗塞、各種ガン、糖尿病、認知症、アトピー、花粉症、その他、、、が激増した。
厚生省(当時)は、遅ればせながら塩分摂りすぎを注意喚起した。
長野県においては、保健指導の中で塩分摂取を控えるように呼びかけて「県民減塩運動」を徹底した結果、
脳卒中が激減し、男性の平均寿命が47都道府県中 9位⇒1位という劇的改善が見られ、
公衆衛生指導の輝かしい成果として語られる。
確かに食塩の摂りすぎは、血管を硬化させて、血圧の上昇を招き、
高血圧がさらに、脳梗塞・心筋梗塞などの引き金になるが、
実は、塩分の摂りすぎではなくて、NaCl99.99%=精製塩が真犯人だ。
醸造業者は、精製塩を材料に醤油・味噌を製造し、NaCl99%以上食卓塩も普及した。
その結果、精製塩の普及⇒NaCl過多(Na以外のミネラル不足)⇒日本人の不健康 という悪循環が生まれた。
1985年(昭和60年)に、日本専売公社(1949~)が民営化(日本たばこ産業に移行)することになり、
塩の販売も専売制から、徐々に自由に販売できるようになってきた。
1997年(平成9年)4月には塩の専売制が廃止(塩事業法に移行)され、
日本たばこ産業の塩事業は財団法人塩事業センターに移管され、
塩事業法の経過措置が終了した2002年(平成14年)4月に塩の販売は自由化された。
但し、塩の製造、販売等を行う場合、財務省への届出等が必要である。
塩は、神経伝達物質として不可欠で、塩専売は酒税や消費税より、はるかに優れた実質の税収だった。
それを民営化するとは、余程 精製塩が生活習慣病をもたらすという、
後ろめたいもの(国民に知らせない統計と推理)があったのではないかと、僕は疑っている。
生物にとって、精製塩は自然塩ではないので、カリウムK・カルシウムCa・マグネシウムMg他 が常に不足する。
それに対し、海水(や岩塩)を原料として、そのミネラルバランスを保ったまま製塩したのが、自然塩だ。
海水由来の自然塩には、必須微量元素や、各種のミネラルがバランスよく含まれ、
人体のミネラルバランスと極めて似ているため、毎日摂取することで、新陳代謝※に際し、自然な入替が可能になる。
※新陳代謝:
細胞は、異化(カタボリズム)と同化(アナボリズム)を繰り返し、
日々少しずつ入れ替わっていて、数年で全て入れ替わる。
骨さえも例外ではない。(まるで「方丈記」冒頭のようではないか!)
しかも、体内で廃材を利用すること(リサイクル)ができないので、
生物は、糖・蛋白・油脂・繊維・ビタミンそして、
ミネラルをバランスよく、一生摂り入れ続けなくてはならない。
無理なダイエットや偏食が良くないのは、上の理由に拠る。
カリウムには体内の余分なナトリウムを排泄する作用がある。
ナトリウムを摂り過ぎると血管の浸透圧が高くなり血圧を上昇させてしまう。
これを事前に制御できるのがカリウムだ。
長野県の保健指導では、「県民減塩運動」の一環で、具沢山の味噌汁を推奨していた。
野菜などの具には、カリウムKを多く含むので、ナトリウムNaを排泄する作用があるということだ。
その結果、Naの過多による高血圧の予防につながり、脳卒中が減った。
加工食品がよくないとされるのは、自然食品と異なり、
99.99%NaClやノンミネラルの白砂糖で味付けされていることで、
必須ミネラルのK・Ca・Mg・Fe・Zn等(やビタミン)が、ほとんど含まれていない。
必須ミネラルが長期にわたって不足することで、生活習慣病を招く。
僕は、糖尿病やアルコール性肝炎も99.99%NaClの慢性的摂取が原因ではないかと疑っている。
つまり、ノンミネラルのアルコールや精製した糖分に精製塩(99.99%NaCl)を摂り続けると、
細胞の異化(カタボリズム)だけ行われて 同化代謝(アナボリズム)が無いので、
新陳代謝が出来ずに、ミネラル不足で体を壊すのが必然だ。
高血圧予防は、減塩ではなく、精製塩を止めて、自然塩を摂る事だ。
ミネラルの収支(BS)が、合うので、恒常性の維持(ホメオスタシス)が、容易になる。
体内で、NaCl過多になって浸透圧が上がるのが高血圧だから、収支が合うだけで、問題は解決する。
沖縄豆腐は、にがりに海水を使い、鹿児島県の山川漬けは、最初に海水で味を付ける。
なんとミネラルバランスの良い食品だろう?
梅干や海草や塩蔵品は、昔から内陸の労働者にとって、塩分の供給源だった。
自然塩には、潮解性があって、日本の高温多湿の夏には、空気中の水蒸気を集めて液化してしまう。
液体では運搬し難いという問題を解決したのが、梅干・漬物・塩蔵品(や潮解しない精製塩)だった。
精製塩で漬けた漬物・梅干や精製塩を材料に製造した醤油・味噌は、塩分の摂りすぎによる高血圧の原因になるのに対し、
自然塩で漬けた漬物・梅干や自然塩を材料に製造した醤油・味噌では、カリウムを多く含むので、塩分の摂りすぎになり難い。
自然塩に含まれるカリウムが余分なナトリウムを排泄するからだ。
自然塩は、肌に潤いを与え、免疫力を増し、骨密度が増え、健康増進に良いことづくめだ。
自然塩を摂ることで、ピロリ菌抑制・整腸作用・免疫力アップ・血流促進作用・血圧降下作用などに効果が認められる。
自然塩を摂ることで、血液がサラサラになり、「瘀血 おけつ」は改善される。
自然塩を摂ることで、血液などの体液、細胞液や羊水(母の中の海)が、健康になり、不妊治療にも貢献するのではないか?
食生活に自然塩を入れることは、理想のミネラルバランス=海(生物の原点)への回帰だ。
「海、遠い海よ! と私は紙にしたためる。――海よ、僕らの使ふ文字では、お前の中に母がゐる。そして母よ、仏蘭西人(フランス)の言葉では、あなたの中に海がある。」 三好達治の処女詩集『測量船』
記:野村龍司