ソメイヨシノも温州みかんもキンモクセイもクローンです

ソメイヨシノにも温州みかんにもキンモクセイにも種がありません。

 

ソメイヨシノ

↑ 枝が互いに触れるようになっても、クローンなので互いを他者と認識せずに、枝が交錯して伸びていきます。

ソメイヨシノはエドヒガンとオオシマザクラの雑種が交雑してできた

単一の樹を始源とするクローンであることが判明しています。

ソメイヨシノのゲノム構成はヘテロ接合性が高く、

ソメイヨシノに結実した種子では同じゲノム構成の品種にはなりません。

各地にある樹はすべて人の手で接ぎ木(つぎき)などで増やしたものです。

全国にソメイヨシノは、数百万本あると言われますが、

すべてがクローン(接ぎ木や挿し木で殖やしたもの)なので

同一遺伝子を持っている1本の木と言うことが出来ます。

自家不和合性が強い品種なのでソメイヨシノ同士では結実の可能性に劣り、

結果純粋にソメイヨシノを両親とする種子が発芽に至ることはありません。

このためソメイヨシノ同士の自然交配による純粋な子孫はありえません。

不稔性ではなく、結実は見られます。

ただしソメイヨシノ以外のサクラとの間で交配することは可能であり、

実をつけその種子が発芽することもあり、これはソメイヨシノとは別品種になります。

すべてのソメイヨシノは元をたどれば

かなり限られた数の原木につながり、それらのクローンといえます。

これは同じ地方のソメイヨシノが一斉に咲き一斉に花を散らす理由ですが、

同時に 特定の病気に掛かりやすく環境変化に弱い理由ともなっています。

 

温州みかん

 

一般的に花粉は少ないが単為結果性のため受粉がなくても結実します。

自家和合性であるが、受粉しても雌性不稔性が強いため

種子を生じにくく、通常は種なし(無核)となります。

ただし、晩生品種は雌性不稔性が弱いことから、

近くに甘夏等の花粉源があると種子を生じることがあります。

生じた場合の種子は多胚性で、播種しても

交雑胚が成長することはまれであり、

ほとんどの場合は珠心細胞由来の珠心胚が成長します。

そのため、種子繁殖により母親と同一形質のクローン(珠心胚実生)が得られます。

ただし、種子繁殖は日本ではまれにしか行われません。

繁殖効率、未結実期間の短縮、樹勢制御、果実品質向上等のため、

日本では通常は接ぎ木によって繁殖を行います。

台木としては多くはカラタチが用いられますが、

ユズなど他の柑橘を用いることもあります。

 

キンモクセイ

秋に小さいオレンジ色の花を無数に咲かせます。

雌雄異株ですが、日本では雄株しか入っていないので結実しません

雄しべが2本と不完全な雌しべを持ちます。

花は芳香を放ちます。繁殖は主に挿し木または取り木で行います。

 

以上、すべてWikipediaより引用

ソメイヨシノの寿命は60年といわれ、

実生の(種から育てる)ヤマザクラには数百年の古木があるのに比べると、寿命が短いです。

その理由は、クローンである為、遺伝子に病気抵抗の多様性が無いことだといわれます。

また、材質腐朽病に侵されやすく主幹や枝が腐りやすいですが、

不定根をこの部分に伸ばし生き長らえようとする性質が強いです。

ソメイヨシノの不定根(主幹が洞になったところに若い根が高所から伸びている:ソメイヨシノの延命策) 

 京都市左京区真如堂2006.4.7

 

温州みかんもキンモクセイもやはり、取り木や挿し木の場合、

実生の同類と比べると寿命が短いです。

キンモクセイは、江戸時代に中国の桂林から輸入されたものが、

雄株ばかりで、挿し木取り木でのみ殖やして来たために、

日本のキンモクセイがクローンばかりになったといわれます。

その間で、原産地から、雌株を輸入していないので

(日本国内で)結実したという例が無いというのは、信じ難いです。

ソメイヨシノどうし、あるいはキンモクセイどうしを近くに植えて、枝が互いに触れるようになっても、

クローンなので互いを他者と認識せずに、枝が交錯して伸びていきます。

これが、異種の樹木では、樹冠を形成して、

枝が交錯しないように絡まないように枝の先に境界を作ります。

 

さて、

テロメアの帽子という絵本があります。

この本は不思議な売れ方をするベストセラーで

(私は初版本を持っていますが)一旦絶版になったものが再版されています。

この絵本の謎解きには、以下の説明があります。

―寿命を司るDNA―

これは細胞分裂の話です。細胞は、生涯に分裂できる回数が決まっています

この回数は細胞の種類によって異なりますが、

分裂の回数が制限数に達すると、その細胞はそれ以上分裂することができません

これが細胞の「寿命」となります。この細胞が分裂する回数を数えているのがDNAのテロメアと呼ばれる部分です。

テロメア部分は分裂するたびに短くなっていき、あるところまで短くなると、細胞はそれ以上分裂が出来なくなります。

        以上「テロメアの帽子」より

 出典:BBC NEWS

このにんじんのようなテロメア(ギリシヤ語で末端:ターミナルの意)の画像は、あまり良くないです。

なぜならば、テロメアもまた、右上部のDNA

(ヌクレオシド:核酸:アデニン・グアニン・チミン・シトシンが繋がって構成される二重螺旋構造)と同じように、

AGTC(ヌクレオシド=核酸:アデニン・グアニン・チミン・シトシン)の二重螺旋構造だからです。

それが、細胞分裂の度に擦り切れるように短くなって、

ついに(テロメアで保護されている)本来のDNA部分まで千切れると、

細胞は再生されなくなります。

AGTC無意味な(ジャンクな)配列であるテロメアには

DNAを保護するという意味(重要な役割)があります。

 

また、Wikipedia によると

テロメアの構造・長さ・配列・維持機構などは生物種によって多様であり、

原核生物やミトコンドリアなどの染色体は環状で末端がないため、テロメアも存在しません。

テロメアDNAの長さも生物種や組織、系統や個人によって異なります。

ヒトの体細胞では6~13kb程度以下であるのに対し、生殖細胞では15kbから20kbと長いです。

マウスはヒトに比べて50kbほど長いテロメアを持ち、出芽酵母ではヒトよりも短いです。

がん細胞は正常細胞に比べ短いテロメアをもちます。

 ↑東京都健康長寿医療センター研究所  老年病理学研究チームのページより

早老症の一つであるウェルナー症候群の患者や、

ドリーのように体細胞の核から作られたクローン動物においてテロメア短縮が見られることから、

テロメアによる細胞老化は個体の老化と関連することが示唆されています。

クローン羊ドリーは、羊 本来の15年という寿命を全うすることなく、6歳で、死にました。

つまり、クローンの寿命が短い理由は、テロメアが短いことだといわれています

 

 

追記

こないだ(4月7日)、ボーっとNHKを視ていたら突然ボーっと生きてんじゃねーよ!」と言われたのだが

 

チコ「ねえ岡村 知ってる?    なぜ桜はいっぺんに咲いていっぺんに散るか」という問題だった。

しかしボーっと生きている僕は知ってました

 

 

 

 

 

記:野村龍司