安倍首相は、『もりかけ問題』の追及を逃れて有耶無耶にする為に、衆議院を解散したの?
平成29年10月10日
本日は10月10日、 昭和39年の東京オリンピック開幕から、53周年です。
今年の場合、衆議院議員選挙の公示日でもあります。
われわれ、土壌汚染浄化事業に従事している者にとって、
築地から豊洲への卸売市場移転問題や、
今年の1~3月ごろ話題になった森友学園の国有地払い下げ問題というのは、
一般の人達にも土壌汚染問題に目を向けて頂ける とてもよい機会だと思っております。
ところが、野党や現都知事(小池百合子氏)はそれを政局にしようとして、
マスコミもそれに追従して 一般人に阿(おもね)るので、ミスリードが多いです。
野党は、森友学園と加計学園とをいっしょくたにして
「安倍首相は、『もりかけ問題』の追及を逃れて有耶無耶にする為に、
衆議院を解散した」と主張しています。
(ざるそばともりそばの違いについては、諸説あります。脚注1)
⇑ 野党側からの追及が予想された主なポイント・・・H29.10.8毎日新聞記事より
私はなぜこの時期に解散するのか、皆目わかりませんが、
加計学園は、口蹄疫・高病原性鳥インフルエンザ・豚コレラ・SARSなど、
海外からの動物由来伝染病に対応する西日本の獣医師不足を解消するための政策として、
学校法人の認可を急いでいるという認識です。
そして、森友学園問題ですが、
上の写真のとおり、1975年には、住宅が密集しています。
(名神高速道路の上に伊丹空港に着陸態勢の飛行機が映っています)
後に国有地にしたことで、生活ごみ(ビニール片、陶片、ガラス)や木材片が不法に投棄され、
数年前には、そのまま埋め立てて更地になっていました。
この土地の評価額は、近隣土地の取引事例や路線価から、土壌汚染対策費用を引いたものです。
従って、土地の評価額が、マイナスになることもあり得るのですが、
近畿財務局は、飽くまでプラスに拘った為に、あの値段になったということです。
土壌汚染リスクがあり飛行機がすぐ真上を滑空する面倒な土地を手放したい国と、
まとまった土地を安く買いたいという籠池理事長との思惑が一致したというのが真相です。
当初は借地契約で、学園側が 国から対策費用を貰って土壌汚染対策工事を始めた後で、
当初予算よりも80㎝汚染深度が大きいということで、
追加費用を併せて(差し引いて)買い取り契約に切り替えたものです。
ですから「森友問題で財務省職員らを背任容疑で告発」した法律家の先生が、
的はずれではないでしょうか。
さて、この土壌汚染浄化費用というのは、非常にシンプルです。
それは、掘削入替を基本に算定しているからです。
汚染範囲の面積(㎡)×深度(m)=汚染土量(㎥)
汚染土量(㎥)×密度(1.8ton/㎥)=汚染土重量(ton)
掘削除去汚染土処分費用+埋戻し清浄土購入費用+搬入埋戻し締固め費用となり、
概算で 幅がありますが6~12万円/㎥です。
土は ほぐし土量と締固め土量とで容積が変わるので 重量で見積りするのが慣例です。
森友学園は、国から費用を貰って土壌汚染対策を始めた以上、原資が税金なので、
途中で止めるわけには行かなかったと思いますが、
民民の土地取引ならば、買主が売主の瑕疵担保責任を免責し、
土地にゴミが埋まっている状態で 土壌汚染の浄化をしないで使用するのは自由だと思います。
(小学校や公園には、砂場があって、その部分は、清浄土に入れ替える必要があります)
予め買主が土壌汚染を知っている場合は、隠れた瑕疵にあたらないので、
売主は責任追及を免れるのが、瑕疵担保の考え方でありましょう。
想定範囲以深からゴミが出てきたと言われたら、売主が国なので値引きせざるを得ず、
タダ同然の値段になったということで、
財務省職員が背任行為を働いたのではないかというのは憶測でしかありません。
↑ 豊洲市場
豊洲市場について、豊洲市場は科学的にも法的にも安全です。
上水道には飲用の基準があり、下水道水の基準には自治体や地域毎に排水基準というのがありますが、
全く使う予定のない地下水に法的基準など無いからです。
古い工業地域(脚注2)や埋立地などの地下水からは全国どこでも、
とんでもない有害物質が出ます。
豊洲の地下水はきれいな方です。
豊洲市場移転は、都議会で決定して、
スーパーゼネコンが全て参加していますが、
都知事の独断で約1年間工事が凍結された為に、莫大な遅延損害金
(約400億円とも言われますが、都はその数字を公表していません。豊洲市場のスティグマも無視できません)
が発生し、元の築地市場跡地を食のテーマパークにするという決定をした事で、
跡地を売却することが出来なくなり、都はアテにしていた土地売却収入(約4300億円)が絶たれました。
科学的知見に基くことなく、具体性も財源もない決定をした都知事の失政を逆に評価して、
今だに「希望の党」「都民ファーストの会」の党代表あるいはシャドーキャビネット首相として
一定の人気があるのが解せないと思うのは私だけでしょうか?―脚注3
都民が損害賠償請求の集団訴訟を起こすと小池氏が敗けると思います。
国会だけでなく、選挙も論戦の舞台ですから、これから10月22日の投票日前日までやって、
また新しく国民の付託を受けた方々で「もりかけ問題」の論戦をやって下さい。
―脚注1
①「もりそば」は海苔が載っているが、「ざるそば」には無い。
②「ざるそば」の出しには甘味料に味醂以外使わないが、「もりそば」は大衆向なので出しの材料に砂糖やステビアを使う。
③味醂が作られるようになったのは江戸時代中期以降で、それで蕎麦ツユを作って出すときに「ざるに盛り始めた」のがざる蕎麦。
それ以前のスタイルで甘味料を使わず出汁と返しだけで作ったものを「皿に盛って出した」のがもり蕎麦。などです。
―脚注2
かつて 工場では排油・廃液を地下浸透させたり、ゴミや焼却灰を工場敷地内に埋めたりすることが日常的に行われていて、
それを規制する法律もありませんでした。
従って、水質汚濁防止法(昭和46年)や土壌汚染対策法(平成15年)の施行以前の汚染については、
汚染原因者を法の施行以前に遡及して追及することができません。
―脚注3
小池百合子都知事は、11月14日 唐突に希望の党代表を辞任しました。
都政に専念するとのことですが、元々、青島幸夫氏でも務まるくらいだから
(都政のドン:内田某のような人に丸投げしておけば)
大した仕事をする必要がないポジションではないかと勘繰りたくなります。