土壌汚染対策

土壌汚染は、最悪の場合 土地の価値がマイナスになることもある 目に見えないリスクです。

土壌汚染調査⇒浄化計画⇒浄化工事というステップを経て 汚染土地が完全に蘇ります

一例としては、土壌汚染調査⇒浄化計画⇒区域指定申請⇒浄化計画書提出

浄化工事⇒工事完了報告書提出⇒区域指定解除 となります。

 

土壌汚染対策法
自主調査や自主対策工事の問題点
売主の瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)
誰が、浄化費用を負担するのか?
工場所有者の場合 「法3条調査命令」
仲介業者の場合 「瑕疵担保責任を明確に」
デベロッパーの場合 「法4条調査命令など」
土壌汚染土地の価値
土壌汚染調査
土壌汚染対策工事
土壌汚染対策工事の種類
原位置浄化について
土壌汚染対策法対応のフローチャート
調査と工事の工程写真
土壌汚染対策工事 実績表(平成13年~)

土壌汚染対策法

平成14年に土壌汚染対策法(以下土対法と表記)が施行されました。

当初は、住民の健康被害を防止するという目的で作られた環境省所管の法律ですが、

バブル景気崩壊後、不良債権処理が進められる中で、外資が不動産市場に参入するようになり、

グローバルスタンダードの一環として、土地の担保価値の適正な評価が求められ、

土対法施行と同時に、宅地建物取引業法重要事項説明項目に追加された効果で、

土壌汚染リスクは不動産取引の問題であるという側面前面に出てきました。

 

自主調査や自主対策工事の問題点

土壌汚染リスクの考えが、一般に共有された為に、土対法に拠らない自主調査が増えました。

自主調査は本来、土地の担保価値を把握する為に行うものですが、

自主調査や自主対策工事は、土対法の法対応調査や対策工事に比べて過剰になる傾向があります。

調査対象物質を指定26物質全てや、それ以上に増やすことが問題です。

それに対し、土対法の法対応調査では、情報がないものを掘り出して追及することはありません。

自主調査を行うにしても、調査目的を明確にして、

適法に汚染物質の種類や範囲を限定していく手法で進めないと、

調査の結果如何では、土壌汚染浄化工事にかかるコストや時間が、

その後の土地利用をする際の、事業リスク増大という結果を招きます。

 

売主の瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)

土地の売買において、契約の解除、または損害賠償の請求は、

買主が汚染の事実を知った日から1年間とされます。(民法556条)

また、瑕疵担保責任は10年で消滅時効にかかるので、

引渡し後10年間異議を唱えていない場合、前所有者の瑕疵担保責任は追及できません。

売主(あるいは買主)が土壌汚染を知っていた場合

(通常人の注意をもって知り得る土壌汚染)は、そもそも「隠れた瑕疵」にあたりません。

売買契約締結時に当事者間で、土壌汚染についての双方の認識を書面に残すことで、

売主の瑕疵担保責任を明確にすることをお勧めします。

 

誰が、浄化費用を負担するのか?

公害の場合、排出者責任の考えで、汚染者負担の原則=PPP(Polluter Pays Principle)があります。

又、汚染原因者が特定できない場合や、自然由来・盛り土由来などのケースも多々あります。

ところが、平成15年の土対法施行よりも前に、遡及して責任追及ができません。

つまり 汚染が存在した場合、現土地所有者が責任を負うことになります。

平成22年の改正土対法では、健康被害防止の観点から、原則 自然由来汚染と人為由来汚染とを区別しません。

土壌汚染が自然由来であっても、土対法の規制や制限の対象になるということです。

 

工場所有者の場合 「法3条調査命令」

特定有害物質使用施設

土対法 第3条により、水質汚濁防止法第10条で指定する有害物質使用の特定施設を閉鎖する時(使用廃止時)には、

使用廃止届を都道府県知事(政令市長)に提出します。

 健康被害の出るおそれがない場合に調査を免除されますが、それ以外には罰則規定があります。

土壌汚染調査前であっても、考えられるリスクについてプライバシーポリシーに従い、ご相談を承ります。

土壌調査も浄化工事も、既存建物が建っている状態で可能な場合がありますので、ご相談下さい。

 

仲介業者の場合 「瑕疵担保責任を明確に」

宅地建物取引業者

もし、土壌汚染があると知らされていたら 購入予定者は、

買わないという意思決定をするかもしれないので、

土壌汚染は重要事項説明の該当項目です。

宅地建物取引業法の中で特に厳しい義務が、第35条重要事項説明義務です。

仲介業者が汚染の(おそれのある)事実を隠して売ろうとすると、重要事項説明義務違反に問われます。

従って、知りえた事実は、購入予定者に対して速やかに正確に伝えなければなりません。

土壌汚染の調査データがあれば、調査機関名なども明らかにして伝えなければなりません。

売買契約締結時に当事者間で、土壌汚染についての双方の認識を書面に残すことで、

売主の瑕疵担保責任を明確にすると後の紛争を未然に防ぐことができます。

 

デベロッパーの場合 「法4条調査命令など」

開発業者

調査の結果、汚染があっても土地取引は可能です。

買主が土壌対策にかかる費用および期間を判断して、

そのコストを差し引いた価格で、売主と合意すれば売買が成立します。

不動産業界では、土壌汚染を環境リスクというよりも事業のチャンスとして捉えて、

都市圏においては収益性を追求する事で売主の瑕疵担保責任を問わないという取引事例もあります。

つまり、開発業者が浄化費用を負担して、解体や浄化に係るリスクを負っても、事業として成立するということです。

従って、リスクを可能な限り正確に評価し、浄化工事を低コストで行うことが求められます。

アーサーバイオアーサー技建

リスクの正確な評価低コストの土壌浄化工事お役に立つことができます

 

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土壌汚染土地の価値

スティグマとは本来はネガティブな烙印の事ですが、

ここでは「土壌汚染が原因の心理的嫌悪感による減価要因」をいいます。

土壌汚染が無い土地に比べて、取引価格が安くなることを減価といいます。

工場(特定有害物質使用施設)の場合、汚染原因者である蓋然性が高く、

実際の健康被害以上に風評被害や企業ブランドイメージの低下を招きます。

土壌汚染浄化工事の効果として土壌浄化費用を算定することによって、

汚染土地の汚染リスク込の価値が確定します。

浄化工事を適法に完了すると、土地本来の価値を回復する結果になります。

土壌汚染のある不動産価値の回復過程

土壌汚染のある不動産価値の回復過程

土壌汚染調査

土壌汚染調査

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土壌汚染対策工事

土壌汚染対策工事は以下に示したように掘削除去・原位置浄化の他、盛り土や封じ込めなどの方法があります。
掘削除去及び正常土埋戻しをする方法は、シンプルに汚染リスクを除去することができます。
但し、鋼矢板などの土止めや、搬出土の処理費用、清浄土の購入転圧などの土木工事の費用がかかります。
※対策工事後、含有量基準超過が無い場合でも、溶出量基準超過(地下水汚染)を伴う場合には、
2年間の地下水モニタリングの義務が課せられます。

土壌汚染対策工事の種類

土対法14条の区域指定が解除されるのは、原位置浄化掘削除去のみです。
盛土や封じ込めでは、区域指定が解除されません。

土壌汚染のある不動産価値の回復過程

位置浄化について

環境省は、平成22年改正土対法の中で汚染土移動(拡散)の問題がある為、

原位置浄化の普及を勧めています。

つまり、搬出土壌の適正処理を厳格化することによって、

実質的な掘削除去の制限をしています。

又、平成14年から「低コスト・低負荷型土壌汚染調査対策技術検討調査」を実施して

原位置浄化の技術を広く募集しています。

そして、原位置浄化においては、土壌汚染物質の分解にバイオが絶大な働きをします。

但し、土壌汚染物質の内、重金属・PCB他、微生物で分解できない物質は、

土壌洗浄もありますが、原位置での浄化が難しいので、

汚染土の掘削除去(焼成・セメント化・など)になります。

土壌含有量基準超過の場合に盛り土という選択肢もあります。

土壌溶出量基準超過の場合は原位置封じ込めという措置もあります。

原位置封じ込めには、原位置不溶化不溶化埋め戻し・

遮水工封じ込め・遮断工封じ込め等の方法があります。

遮断工封じ込めや遮水工封じ込めには、水密性コンクリートを使用します。

盛土や封じ込めという方法はいろいろありますが、

環境省は、原位置浄化を推奨しています。

そして、区域指定解除が出来るのは掘削除去原位置浄化のみです。図参照

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土壌汚染対策法対応のフローチャート

 

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調査と工事の工程写真

リスクコンサルティング

対象地の土壌汚染リスクや想定される対応を土壌汚染対策法その他法令に準拠してご説明します。

土壌調査

環境省指定調査機関により、 ①土地の履歴調査 ②表層調査 ③深度調査(ボーリング) の順で進めます。

資料採取・分析

汚染(コンタミネーション)の濃淡を三次元で解析します。

 

対策・措置計画

分析結果を基に対策範囲を絞り込み土壌浄化工事計画を作成。

見積り・土壌浄化工事施工計画書・工程表 ・市町村への届出書、等作成します。

都道府県に対し土対法14条の区域指定申請をするのもこの段階です。

対策・措置工事(建物解体工事を含む)

土壌洗浄や微生物分解を行います。 マルチポンプユニットが、 1台で8か所に薬液を間歇的に注入します。

浄化された更地

浄化工事完了報告書の提出
区域指定解除通知受領※1
完了引渡し
※1 原位置浄化と掘削除去の場合

リスクを可能な限り正確に評価し、浄化工事を低コストで行うことが求められます。

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土壌汚染対策工事 実績表(平成13年~)

平成29年9月現在

場所 内容 規模 濃度(ppm) 工期(日) 工法 客先 備考
33 京都市(民間) 重金属 1,000m² 60 所有企業 施工済
32 豊中市(民間) 六価クロム・フッ素・ホウ素 8,500m² 90 所有企業 施工済
31 京都市(民間) フッ素 10,000m² 30 所有企業 施工済
30 尼崎市(民間) ヒ素・フッ素・重金属 26,433m² 90 所有企業 施工済
29 大阪府(民間) フッ素・ホウ素 35,000m² 90 所有企業 施工済
28 東京都(民間) VOC・(廃油) 2,000m² 30 所有企業 施工済
27 大阪府(民間) VOC・地下水 1,500m² 90 所有企業 施工済
26 西宮市(民間) 重金属 2,000m² 90 所有企業 施工済
25 大阪市(民間) N-H 1,800m² 15 所有企業 施工済
24 大阪市(民間) 重金属 6,000m² 200 所有企業 施工済
23 大阪市(民間) N-H、重金属 2,500m² 40 原・堀 所有企業 施工済
22 大阪市(民間) 重金属 450m² 14 所有企業 施工済
21 明石市(民間) N-H 14,500m² 60 ゼネコン 施工済
20 大阪府(民間) 重金属 2,500m² 60 所有企業 施工済
19 神戸市(民間) 化学物質、重金属、VOC 60,000m² 180 原・堀 商社 施工済
18 西宮市(民間) VOC、重金属、ダイオキシン 3,700m² 原・堀 デベロッパー 施工済
17 大阪市(民間) VOC、重金属、地下水 100,000m² ゼネコン 施工済
16 大阪市(民間) 重金属他 400,000m² 900 デベロッパー 施工済
15 京都府(民間) VOC(土壌・地下水) 1,800m² 500 12 電気会社
(操業中)
施工済
14 大阪市(民間) 重金属、油、産廃、汚泥 299,000m² 原・堀 ゼネコン 施工済
13 大阪市(民間) VOC、重金属 160,000m² 基準値の
6000倍
原・堀 ゼネコン 施工済
12 滋賀県(官庁) アンモニア、硫化水素 350 30 ゼネコン 施工済
11 尼崎市(民間) VOC、重金属 35,000m² 原・堀 機械メーカー 施工済
10 東大阪市(民間) VOC、重金属 60,000m² 原・堀 機械メーカー 施工済
9 奈良県(官庁) 臭気醗酵処理 25,000m² 1,000up 200 ゼネコン 実証
実験済
8 大阪市(民間) 重金属 1,900m² 400 デベロッパー 施工済
7 西宮市(民間) VOC、重金属 19,800m² 原・堀 デベロッパー 施工済
6 豊中市(民間) 重金属 1,600m² 7 デベロッパー 施工済
5 寝屋川市(民間) VOC 600m² 5 5 地元建設会社 施工済
4 豊中市(民間) VOC N-H 184,000m² 150 ゼネコン 施工済
3 山口県(民間) N-H 2,000m² 20,000up 20 ゼネコン 実証
実験済
2 東京都(官庁) アンモニア 7,000m² 370 60 ゼネコン 施工済
1 兵庫県(官庁) アンモニア 300,000m² 2,700 20 ゼネコン 実証
実験済
  •  濃度、施主名につきましては、守秘義務契約上公表することは出来ませんので御了承下さい。
  •  工法欄 掘:掘削入替  原:原位置処理(無掘削) 解:原位置分解処理
  •  VOC:揮発性有機化合物の事。1.2-ジクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ベンゼン等
  •  N-H:ノルマルヘキサン抽出物質、土壌汚染対策法では、特定有害物質に含まれない鉱物油(石油類)および動植物油脂

リスクを正確に評価し、浄化工事を低コストで行うことが求められます。

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